【現場の逸品】ブロック積現場に新風! 簡単設置の転落防止柵『3Sフェンス』 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【現場の逸品】ブロック積現場に新風! 簡単設置の転落防止柵『3Sフェンス』

設置と取り外しが簡単にできる防護柵は、現場の評判も上々

 「5年ぶりの新製品」と意気込むのは創友(高知市)の宮崎洋一社長だ。大型ブロック積み擁壁向けの転落防止柵『3S(サンエス)フェンス』は設置と取り外しが簡単にできると、商品化から1年で高知県内の6現場に導入された。4月のNETIS(新技術情報提供システム)登録を機に「全国各地から問い合わせが増えている」と手応えを口にする。
 高さ2mを超える高所作業では、囲いや手すりの設置、または安全帯の使用が義務付けられている。近年は擁壁や護岸の工事でコンクリート二次製品化が進み、大型ブロックを積み込む現場が増加傾向にある。ブロックの水抜き穴を利用した仮足場の設置や、親綱による転落防止を行うなど、現場は工夫しながら対応しているが、ブロックを積み上げるたびに付け替える手間が生じていた。

左が「かぶせ型」、右が「引っかけ型」

 「簡単に設置できる防護柵がほしい」。現場の声を聞きつけ、開発に乗り出したのは2015年末のことだ。試行錯誤の末、ブロックに防護柵を固定する基礎金具を開発した。ブロックの形状に合わせ、「かぶせ型」「引っかけ型」「ボルト型」の3タイプを用意。隅田伸永技術部長は「ありそうでなかった製品と、現場からの評判も上々だ」と話す。
 当初は、コンクリート二次製品メーカーへのリース販売を計画していたが、建設会社からの関心が高く、急きょ商品化に踏み切った。導入現場ではパトロールに訪れた労働基準監督署からも注目されたほどだ。NETIS登録を機に「県外の現場から数百単位規模の導入依頼も来ている」と明かす。
 価格は、ブロック幅2000mmに対応したかぶせ型タイプが約4万5000円。手すり部分は単管パイプを使い現場で自ら取り付けることができ、基礎金具(約3万円)だけの購入も可能だ。
 3Sフェンスは同社にとって8番目の製品。「実は、主力製品の1つであるプレキャストガードレール基礎『プレガードII』とのシナジー効果も期待している」とは宮崎社長。プレガードIIの販売数量は道路長さで年間80-100㎞に達する。「設置現場では高所作業を伴うケースが多く、併せて3Sフェンスの活用ニーズも出てくる」と期待している。
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