【都市・まちづくりコンクール】最優秀賞に山田将弘さん(早大) 課題「和」の意味をどう提示したか? | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【都市・まちづくりコンクール】最優秀賞に山田将弘さん(早大) 課題「和」の意味をどう提示したか?

 都市・まちづくりコンクール実行委員会と総合資格は15日、東京都江東区の芝浦工業大学豊洲キャンパスアーキテクチャー・プラザで、第6回都市・まちづくりコンクールの公開審査会を開いた。全国の大学から97作品の応募があり、47作品が本選に出展。その中から、山田将弘さん(早大)の「スラム自立更新システムの構築 フィリピン・セブ市・ロレガ地区を対象として」を最優秀賞に選んだ。

最優秀賞「スラム自立更新 システムの構築」の模型

 今回のコンクールでは、課題を「和」に設定。建築や都市デザインの魅力ある「和」のかたちやシステムを求めた。
 最優秀賞作品は、都市計画の大きな課題であるスラムに対し、居住者が自ら解決していくためのシステムを提案するもの。課題の「和」を「社会問題の本質的な解決」という意味で提示した。受賞を受けて山田さんは「受賞したこと以上に、こうした場で多くの人や有識者に聞いてもらえる機会があったことをうれしく思っている」と語り、さらなる活動への意欲を示した。
 審査では同作品のほか、優秀賞2点、審査員賞9点、岸トラベル賞3点を選出し、受賞者には賞状と副賞を贈った。また、事前審査を未通過だった作品のプレゼンボード・選定エリアと選定理由、計画の要旨を会場内に展示し、来場者からの投票で1位を決める第1回都市まちコンテストを同時開催し、グランプリには木下規海さん(慶応大)の「Public Construction 海に開かれる工事現場」が選ばれた。
 そのほかの受賞作品は次のとおり(敬称略)。
 〈優秀賞〉
 ▽海へのまなざしの修復-アジアへと通じる伝統文化と生活のための建築=砂川良太・伊藤滉彩・平林航一(早大)▽バンコクにおける運河沿いのスラムの再開発手法の提案=池部辰樹・大澤秀幸(明大)。
 〈審査員賞〉
 ▽○○人の演者たち-本を生業う産業ネットワークのゆくえ=井上莉沙(法政大大学院)▽都市の仮面劇場=廣川大樹(工学院大)▽浦島の伝承記-子安浜におけるバラック集落更新の物語=田口周弥(日大大学院)▽鯉巡る町=斉藤知真・筒井伸・増田千恵(信州大)▽彼らのトドマリの場=高岩愛実(明大)▽最後の城の幻影-現代都市における近世城郭の再編=岩田周也(東北大)▽Action!-銀座を舞台にした映画の観察と都市への舞台的建築の挿入=小林大介(慶応大大学院)▽街路ネットワークを活かした塀と蔵とアートによる木密エリア再編の提案=福井靖範(近畿大)▽声をあつめて更新される手賀沼の「風景」-協働設計を通じたメディア的建築の実践と考察=齊藤有生(芝浦工大大学院)。
 〈岸トラベル賞〉
 ▽海へのまなざしの修復―アジアへと通じる伝統文化と生活のための建築=砂川良太・伊藤滉彩・平林航一(早大)▽染めゆくは行方―伝統工芸から考える新しい街の在り方=小野智也(芝浦工大)▽彼らのトドマリの場=高岩愛実(明大)。

最優秀賞を受賞した山田さん

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