【SDGsへ貢献】ピープル・ファーストPPP 長大がUNECEのメサPPP推進局担当次長招き特別講演会 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【SDGsへ貢献】ピープル・ファーストPPP 長大がUNECEのメサPPP推進局担当次長招き特別講演会

 長大は14日、国連欧州経済委員会(UNECE)からクラウディオ・メサPPP推進局担当次長らを招いて「国連が今考える『ピープル・ファーストPPP』~SDGsに貢献するPPP」と題した特別講演会を東京都中央区の同社東京支社で開いた。約100人が出席。メーカーや商社など建設以外のジャンルからの参加も多く、学生の姿も目立った。
 メサ氏は基調講演の中でSDGs(持続可能な開発目標)の達成には「金銭に相当する価値」だけでなく「人々のための価値」を実現するPPPの新たなモデルの採用が必要だと強調した上で、UNECEが策定したガイドラインや基本原則などを説明した。
 講演ではこのほか、国際協力機構(JICA)のPPPに対する取り組みや、長大が東南アジアで取り組むCSV(共有価値の創造)戦略とPPPの事例も紹介された。
 冒頭あいさつした永冶泰司社長はフィリピン・ミンダナオ島で同社が進める地域開発プロジェクトについて「危険とされている地域でも経済的に発展することで安全・安心な地域に変わると信念を持って取り組んでいる。これからもピープル・ファーストPPPを積極的に進めていきたい」と語った。

◆地域に長期的な利益、ミンダナオがモデル
 講演会後に日刊建設通信新聞社などの取材に応じたクラウディオ・メサ氏は、ピープル・ファーストPPPの推進に向け、「途上国の経済発展を考えた時に、どういったものが良いプロジェクトなのかという共通言語が欠如している。なぜこの地域が貧しいのか。その答えの1つが安定性ではないか。安定性があれば長期的な観点からより良いプロジェクトが社会にもたらされる」と指摘した上で、「日本の企業は質の高い技術力や長期的な視点、リスクマネジメントの能力を持っている。日本政府が進める質の高いインフラ・システム輸出も環境や地域コミュニティーへの配慮、他の地域でも展開できることなどUNECEが策定したピープル・ファーストPPPと類似した項目が多く協働できる」と強い期待を示した。
 さらに長大のミンダナオ島でのプロジェクトについて「長期にわたってローカルコミュニティーの利益を中心に考えており、同時にローカルがきちんと関与している。良いプロジェクトは社会に対するインパクトも大きい。この取り組みがモデルとなって他の地域にも展開されていくことを期待している」と評価した。
 
 
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