大成建設と大成ロテックは、大成建設グループ次世代技術研究所「T-FIELD/SATTE」(埼玉県幸手市)の本格運用を始めた。大成建設の長島一郎常務執行役員技術センター長が「環境課題の解決に対し、当社グループ一丸となって挑戦し続ける思いを形にした」と意気込む同施設は、脱炭素や資源循環、自然共生に関する108の技術を集めた日本初のゼロカーボンビルとなる。環境配慮の技術や材料の研究開発、製造、施工実証を敷地内で一貫して行えるため、持続可能な建設・道路インフラを実現する技術の早期社会実装に寄与。建設業界の脱炭素化を加速する。
同施設の管理研究棟には、ゼロカーボンビルの評価指標である「T-ZCB」を導入し、環境負荷の少ない資材・建材の調達から施工・運用・修繕・更新・解体までのライフサイクル全体で排出されるCO2を実質ゼロとするゼロカーボンビルを目指す。大成建設設計本部先端デザイン部先端デザイン室の古市理室長も「業界の先頭を切ってゼロカーボンを形にし、その標準をつくることに意義がある。開かれた研究所としてもゼロカーボンの考え方の普及を図る」と強調する。
上層階を木造としたほか、環境配慮コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」、解体建物から回収した鉄骨を再生した鋼材「T-ニアゼロスチール」を採り入れた。
リサイクル材を使った什器やエネルギーの利活用によるサーキュラーエコノミーを実践するほか、太陽光発電により建物の耐用年数である60年間の運用を通じてライフサイクルでのCO2排出量を101%削減する。
コンクリート床版の疲労耐久性を検証する施設には、国内最大級となる実大規模の輪荷重試験機を設置。脱炭素や再生資材を活用した製造実験を実施するコンクリート、アスファルトの製造ラボ、製造した材料を施工実験する「道のテストフィールド」も備え、道路インフラに関わる材料の研究開発から施工時の実証までを一貫して行う。検証した舗装技術は、福島県田村市の「次世代技術実証センター」で長期耐久性を実証する。
また、地域に開かれた研究・実証拠点として、自治体や関係機関と連携し、施設の環境性能や耐久性の向上に役立つ技術提案などを実施していく。地域の生態系と調和する水辺環境を整備するとともに、緑地空間の形成も進める。
