長崎県は、「インフラDXアクションプラン(第1版)」を公表した。2024年12月策定の第ゼロ版を改定し、30年度までにICT活用工事の実施件数年間250件、情報共有システムの活用率8割達成といった数値目標を掲げている。さらに、26年度に3次元地形測量とBIM/CIMの要領を策定し、27年度に3次元測量を原則化する方針も示した。測量・調査・設計から施工、維持管理までの各段階のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推し進める。
同プランは、平常時のインフラ分野のDXと災害対応におけるDXを2本柱で構成する。第ゼロ版からの大きな違いとして、組織の変革プロセスを「移行期」「適応期」「加速期」の3段階に分けるチェンジ・マネジメントの概念を導入するとともに、取り組み事項を拡充した。
インフラ分野は、既に具体的な取り組みを始めた事業が第ゼロ版の5項目から10項目に、検討段階の事業は6項目から7項目に増え、3次元地形測量の推進やBIM/CIMの利用などが明確化された。検討段階の事業は、地すべりの自動観測や3次元計測技術を使った施設点検を新たに盛り込んだ。
災害対応分野では、テレビ会議や情報共有システムを使った大規模災害対応の効率化、国土交通省が運用している「洪水予警報等作成システム」の導入検討などを新たに追加・整理した。災害時の水中ドローンの活用なども今後の検討課題としている。
一方で、ICT活用工事の本格的な導入には課題も残る。発注者側には見積もり徴収などの発注業務負担の増加、受注者側には3次元起工測量や3次元モデルの作成などに多大な労力を要する。受発注者を問わず、地域や企業、個人間で経験に差があり、一律の取り組みでは普及が進まない懸念もある。
こうした実情を踏まえ、3次元モデルの効率的な運用に向けた検討やICTの研修会の開催などを官民連携で取り組むことで、段階的にICTの導入と定着を図っていく。
