国土交通省は、3月中旬に都市再生特別措置法などの改正案を特別国会へ提出する。オフィスやアリーナ、ホテルなどをまちの中心部に誘致する際に容積率や用途を緩和する制度を設ける。また、市町村域を超えた広域的なコンパクト・プラス・ネットワークの取り組みを促すため、都道府県が持つ立地適正化計画に関する市町村間の調整権限を明確化する。
地域に民間投資を呼び込み個性のある都市空間を形成するため、立地適正化計画では病院など生活サービス施設を誘導すべき施設として位置付けているが、新たに業務施設や業務支援施設、集客施設を加える。具体的にはコワーキングスペースや会議室、民間オフィス、研究所、工場、官公庁施設、アリーナ、劇場、ホテル、博物館、美術館などを想定。多様な機能をまちなかに集積させることで地域の稼ぐ力やにぎわいの創出、職住近接の生活利便性向上を図る。
再開発事業や土地区画整理事業の妨げとなっている所有者不明土地への対策としては、施行者が所有者不明土地管理人を選任請求できることを明確化する。
歴史や文化、景観など地域固有の魅力を生かしたまちづくりを促進するための制度も設ける。
古民家や旧校舎、武家屋敷などの地域資源を通じてエリア内の価値向上に取り組む区域を新たに都市再生整備計画に位置付け、既存施設の改修などを支援する。既存建造物群の連鎖的な改修などエリア一帯のリノベーションを通じた良好な景観の再生にも取り組み、第三者が所有者との協定に基づいて建築物の改修や利活用に取り組む制度を新設する。
公共貢献に関しては、にぎわいを生むイベント開催などソフト面の取り組みを評価し容積率を緩和する協定制度を新たに設ける。エリアマネジメント活動に関する計画制度も創設し、活動拠点施設の整備に対する金融支援を受けられるようにする。
災害関連では、立地適正化計画で定める居住誘導区域から災害危険区域を全て除外する。現状では、災害危険区域のうち建築物の建築が禁止されている区域を居住誘導区域に含めていなかったが、一律除外することで激甚・頻発化する災害への備えを強化する。
