
安藤ハザマと静岡理工科大学、愛媛大学、港湾空港技術研究所で共同開発を進める微生物を高度利用したバイオスマートコンクリート「BiSCo(Bio―Smart Concrete)」について、実施工規模での製造法を確立し、海上桟橋の防潮壁に試験適用した。微生物の呼吸を利用した防錆(ぼうせい)・自己治癒コンクリートで、メンテナンスフリーでの長寿命化が期待できることから、今後は構造物への適用を進める。
鉄筋コンクリート構造物の長寿命化には鉄筋の腐食防止が重要となる。そこで、強アルカリ耐性菌「AH株」の代謝活動によりコンクリート中の溶存酸素を消費するとともに、酸素と水の供給路となるひび割れを自己治癒することで、酸素や水を不足させて鉄筋腐食を防止するBiSCoの開発を進めてきた。
今回、生コンクリート工場で製造したベースコンクリートを生コン車で現場へ運搬し、微生物濃縮液と栄養素を生コン車のドラムに投入して高速攪拌することで、BiSCoを10立方メートル製造した。所定のフレッシュ性能を持つことから、ポンプ圧送や締め固め、仕上げ作業なども打設計画どおりに施工できた。
打設前の品質試験時に供試体を作製し、漏水実験を行った結果、導入したひび割れが自己治癒し、約1カ月で漏水が止まることを確認した。
担い手不足により、きめ細かなメンテナンスの実施が難しくなっている。加えて、水路や水槽などは点検・補修の際に本来機能の停止が必要となるほか、狭小空間や高所に位置するなど構造上の制約から点検が困難なケースも多い。さらに、塩害や中性化の進行による鉄筋腐食の懸念も指摘されている。こうした課題を抱える構造物に対し、同社は新技術の適用を積極的に推進していく方針だ。
