年度末で工期が迫っているためか、通勤ですれ違う職人さんたちの顔がどこか険しい。気のせいか。物思いにふける最寄り駅までの道すがら、遊歩道の主役はこのごろ桜になったが、先日までは梅がピンク色の花を咲かせていた◆梅の木は、育成が早いが大木にはならない。その姿から、急ごしらえの浅知恵は「梅の木学問」といわれる。反対に、ゆっくり大成するのは「楠学問」◆年度末のこのごろ、羽織はかまの学生たちを見かけては、遠い日を思い、時の重みを感じる。急かさず、成長を見守りたい◆目線を自身に向けると、肩身が狭い。日々の仕事に向き合えば、どうしても実利に引きずられ、すぐに役立たないものは無用と切り捨てたくなる。ただ、楠を目指すならコツコツ努力。でも、梅でもいいか。心が揺れる春の夜長かな。
