一家の中心人物を「大黒柱」と呼ぶことがある。読者には釈迦(しゃか)に説法だが、本来は木造建築の日本家屋で中心に建てられた太い柱を指す。要するに建設用語が由来だ◆物事を円滑に進めるために前もって行う準備・手配の「段取り」も、寺社建築で石段を設ける際の「段を取る」が語源との説がある。「いの一番」「しのぎを削る」「根回し」「几帳面」なども例に挙げられる◆このように、土木・建築から転じて一般的に使われるようになった言葉は数多い。土木・建築がわれわれの生活に溶け込んでいることの証左だろう◆新年度が幕を開け、新入社員が建設企業に入社する。建築の土台をつくるように、まずは知識の段を一つずつ積み上げてほしい。そして、建設業界を支える立派な大黒柱へと成長することを願ってやまない。
