「敵か味方か」という単純な二項対立をつくることが、近年の選挙戦における必勝パターンとなっている。東京都清瀬市や練馬区の首長選で現職の否定が鍵を握ったのも、その鮮明な図式が有権者の心を掴んだからだろう◆問題を単純化し、分かりやすい「敵」を設定する手法は、大衆の共感を得るには効率が良い。しかし、実際の政治は白黒つけられない妥協と調整の積み重ねであり、対立の演出は本来必要な合意形成を阻害するリスクもはらんでいる◆単なる否定は成長ではなく、社会の分断を生む。過去を壊すことが目的化すれば、課題解決は遠のくばかりだ◆これは建設産業の「維持更新」の在り方にも通じる。古い設備をただの負債と見なすのではなく、先人の知恵を生かしつつ新技術で補強する。対立ではなく「融和」の視点が必要だ。
