全国建設業協会の今井雅則会長は4月30日、中東情勢に伴う建設資材の需給逼迫(ひっぱく)が円滑な施工に支障を来しているとし、金子恭之国土交通相に緊急要望を行った。さまざまな建設資材の供給不足が発生し、工事の中止や遅延が避けられないケースも出ているなどと窮状を訴えた上で、適時適切な価格や工期の変更対応を求めた。完成の遅れなどによって、元請け企業の資金繰りが悪化する恐れがあるとし、部分払いの実施も要請した。
全建が土木、建築両専門委員会の委員企業計18社を対象に実施した緊急アンケートによると、ガソリンや軽油などの燃料系石油製品に加え、製造過程で燃料や電力を使うほぼ全ての建設資材で価格高騰が起きている。主にアスファルト類や塩化ビニール管、外装用塗料、接着剤、合成樹脂系材料、鋼材などの高騰が顕著という。
また、建設資材を巡っては、ナフサを原料とする石油化学系製品の供給の目詰まりによって、受注者の責めによらない供給不足や遅延が発生。塗料や断熱材、防水剤、住宅設備などを中心に出荷制限や受注停止、数量割り当てが拡大し、一部資材の確保が困難になっているほか、資材不足に起因する仕様変更や工事工程への影響も顕在化している。
このような状況を踏まえ、全建は、石油製品の供給目詰まりの解消をはじめ、公共工事における実勢価格の調査頻度の引き上げ、設計変更や単品スライドの適切な実施を要望。スライド条項に関しては、手続きの簡素化と受注者負担1%ルールの撤廃または引き下げも加えた。民間工事でも、おそれ情報に基づき適切な価格転嫁が行われるよう、発注者への働き掛けを求めた。
さらに、建設資材が当初契約通りに供給されない場合には、速やかに工事の一時中止による工期延長や代替資材への変更を柔軟に実施し、それに伴う費用も設計変更で適切に見込むよう訴えた。
工期延長によって、支払い時期が遅延して受注者の資金繰りが悪化する可能性にも言及。そういった事態を避けるため、受注者の求めに応じて部分払いを適宜実施するなど、キャッシュフローの改善に努めることも呼び掛けた。
全建によると、要望を受けた金子国交相は「国交省で把握できないところもあるため、業界の声をしっかり聞いて対応していきたい。今回の事象で地域建設業の経営に影響が出て倒産すれば、地域を守る人がいなくなってしまう」と危機感を示した上で、都道府県への働き掛けを含めて、全建の各要望項目に国交省として適切に対応する意向を示した。また、「問題は民間工事であり、おそれ情報の活用による円滑な価格転嫁や工期の見直しを働き掛ける」とも述べたという。

