日本建設業連合会は1日、2026年度の新たな執行体制を発表した。宮本洋一会長が退任し、現副会長・土木本部長の押味至一鹿島会長兼社長が次期会長に就任する。現副会長・建築本部長の蓮輪賢治大林組副会長は土木本部長に回り、相川善郎大成建設社長が新たに副会長・建築本部長に就く。新体制は4月20日に開いた理事会の賛同を得て内定した。11日に都内で開催する定時総会後の理事会で正式決定する。
26年度は改選期に当たらないが、異例の3期目に入り、5年間にわたってトップを務めてきた宮本会長が退くことを決めた。宮本会長は、民間建築工事を中心に、資材価格の高騰などにゼネコン各社が苦しむ中、「請け負け」からの脱却による受発注者間の対等関係や、サプライチェーン全体でのウィンウィン関係構築の必要性を常々強調。中央建設業審議会などの場で、適正な価格転嫁が行われる環境整備を訴え続け、改正建設業法への関連規定の制定や民間建設工事標準請負契約約款の改正などに大きく貢献した。関係者によると、昨年12月に第3次担い手3法が全面施行されたことを節目に、退任の意向を示したという。
昨年7月には、50年の建設業の姿を展望し、そこに向かって今後10年間に実現すべき方策や目標を示した「建設業の長期ビジョン2・0」も打ち出した。業界を代表する団体のトップとして、建設現場の飛躍的な生産性向上や技能者の異次元の処遇改善などを業界全体に呼び掛けた。これまでの受発注者間のパワーバランスを変えうる試みで、金子恭之国土交通相に「歴史的な取り組み」と評された不動産協会との課題解決協議の実施にも道筋を付けた。宮本会長は今後も、相談役として日建連活動をサポートする。
バトンを受け継ぐ押味次期会長はこの間、土木本部長として国土交通省各地方整備局との意見交換会などを通じて、時間外労働規制への対応を含む建設現場の働き方改革や生産性向上の取り組みなどを先導してきた。通常の社会資本整備はもとより、初の法定計画として26年度からスタートした国土強靱化実施中期計画をはじめとする防災・減災、国土強靱化施策やインフラ老朽化対策に関する予算の拡充なども政府・与党に積極的に働き掛けてきた。
とりわけ、建設現場の最前線を担う職人を思う気持ちは人一倍で、新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の第一である給与をまず、他産業以上に引き上げたいとの思いが強い。最近では、公共工事設計労務単価の設定方法に言及することが多く、実態調査の結果を次の年に反映させる現行方式から、明確な目標を定め、そこに向けて政策的に引き上げる方式に転換すべきと主張している。
日建連が策定した長期ビジョンでは、技能者の異次元の処遇改善を掲げ、年平均7%以上の持続的な賃上げによる所得倍増や、現状の約2倍の水準に当たる40代平均年収1000万円超の実現、建設業退職金共済制度による退職金の1000万円、2000万円への引き上げなどを盛り込んでいる。
