大成建設は、山岳トンネル工事で最適な発破パターンを自動設計するシステム「T-iBlast Designer」を開発した。既開発の「T-iBlast TUNNEL」で算出した岩盤データとAI(人工知能)を活用し、岩盤条件に応じた発破パターンを自動設計する。外周孔の削孔先端位置を最適化することで余掘りを抑制し、掘削残土の削減や施工の省人化・効率化につなげる。
山岳トンネル工事では、自動化・機械化による生産性向上が進む中、フルオートコンピュータージャンボが熟練技術者に依存せず高精度な削孔を実現する中核技術として普及している。一方で、発破パターンの設計は依然として技術者の経験に依存する部分が大きく、岩盤条件に応じた最適化が課題となっていた。
こうした課題に対応するため、同社はフルオートコンピュータージャンボから取得した削孔データを基に岩盤強度分布を算出・可視化するシステム「T-iBlast TUNNEL」を発展させ、「T-iBlast Designer」を開発した。
新システムは、岩盤強度分布に応じて孔数や削孔位置、装薬量を設定した基準発破パターンを自動で割り当てる。さらに、余掘りへの影響が大きい外周孔については、AIを活用して削孔先端位置を最適化する。
国土交通省東北地方整備局発注の国道13号新及位(しんのぞき)トンネル(仮称)で実証し、有効性を確認した。
主要メーカー製のフルオートコンピュータージャンボに対応しているため、既存の施工フローに組み込める点も特徴だ。施工データを継続的に蓄積・学習することで、AIによる余掘り厚さの推定精度や最適化機能のさらなる向上も見込まれる。
現場データを用いた検証では、切り羽当たり最大約17%の装薬量削減が可能となることを確認した。掘削残土量や覆工コンクリート使用量の削減が期待でき、コスト縮減と環境負荷低減にも寄与する。
今後は適用現場の拡大を進めるとともに、関連技術との連携により、削孔・装薬・発破から掘削断面形状の測定、評価、次サイクルの発破設計まで、一連の発破サイクル全体の最適化・効率化を推進していく。
