みんなの建築大賞推薦委員会(委員長・五十嵐太郎東北大大学院教授)が文化庁とJINS(ジンズ)の協力を得て実施した「みんなの建築大賞2026」は、SNS(交流サイト)などの一般投票の結果、1万3750票を獲得した大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null2」が大賞に選ばれた。2位の「大屋根リング」に4400票余りの差を付けた。「null2」をプロデュースしたメディアアーティストの落合陽一氏は16日、東京都文京区の国立近現代建築資料館で開かれた授与式でトロフィーを贈られ、「パビリオンはなくなってしまっても、ストーリーを語れるナラティブなものでなければならないと思って、マテリアルと対話をしながらつくり上げていった」などと受賞の喜びを語った。
推薦委員会は、委員の推薦最多となった同万博の「大屋根リング」を「推薦委員会ベスト1」に選定した。また、今回から新設されたJINS賞には、「ラビットホール」が選ばれた。ジンズホールディングス代表取締役会長CEOの田中仁氏がノミネート10施設のなかから選定する賞となる。さらに、推薦委員会は、戦後建築の活用提案において新たな方向性を示したことをたたえて、「旧香川県立体育館再生計画」に特別賞を授与することにした。
授与式には落合氏のほか、大屋根リングを設計・統括した建築家の藤本壮介氏がオンライン、ラビットホールを設計した建築家の青木淳氏らが出席。受賞の言葉を述べた。五十嵐委員長は「みんなの建築大賞は、3年目を迎え、投票数が飛躍的に増えたことが、大きな成果だった。そのけん引力となったのが、大阪・関西万博から選ばれた2トップの競り合いだった」などと総評を語った。
「みんなの建築大賞」は建築を伝える立場のプロ約30人(推薦委員会)が、一般投票をまじえて選定する建築アワードで、24年に第1回が開催された。第一段階として推薦委員会が前年中に完成・発表された建築の中から「世の中に向けて熱く伝えたい建築」10件を選び、これを「この建築がすごいベスト10」として発表。その10件を「X」「Instagram」「Google フォーム」上に掲載し、26年2月1日―10日の投票期間に、「いいね」の数が最も多かったものを「大賞」に選出した。本賞は、文化庁と JINSが趣旨に賛同し、実施に協力している。
「2026 この建築がすごいベスト10」は次のとおり(カッコ内は主な設計者、敬称略)。
▽大屋根リング(藤本壮介、忽那裕樹、東海林弘靖、東畑・梓設計JV、大林組、清水建設、竹中工務店)。
▽霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ(高橋一平建築事務所)。
▽Ginza Sony Park/Ginza Sony Park Project(荒木信雄、石本建築事務所、竹中工務店)。
▽東海国立大学機構 Common Nexus(小堀哲夫建築設計事務所)。
▽ド・ロさまと歩くミュージアム 大平作業場跡(文化財保存計画協会、D4H)。
▽ニシイケバレイ(須藤剛建築設計事務所)。
▽null2(落合陽一、ノイズ〈NOIZ〉、フジタ・大和リースJV、乃村工藝社、ワウ〈WOW〉、アスラテックほか)。
▽広島駅南口ビル(JR西日本、ジェイアール西日本コンサルタンツ、東畑建築事務所、SUPPOSE DESIGN OFFICE、大林組、広成建設)。
▽横浜美術館 空間構築(乾久美子建築設計事務所、菊地敦己事務所)
▽ラビットホール(青木淳@AS)。
〈特別賞〉
▽旧香川県立体育館再生計画(旧香川県立体育館再生委員会)。
