大成建設は、山岳トンネル掘削作業の自動化・機械化を加速している。従来の発破作業では、有線式雷管を用いるため結線作業が必要で、装薬後に作業員が切り羽近傍へ立ち入る工程が避けられなかった。今回、無線電子雷管の採用を前提に「装薬ユニット」を開発。既開発の無線電子雷管対応爆薬装てん装置「T-クイックショット」と組み合わせることで、既存ドリルジャンボ上で削孔から装薬までをオペレーター1人が運転席から連続して実施できることを実証した。
同社は、国土交通省が推進するi-Construction2.0における最重要施策「施工のオートメーション化」を実現する上で、無線電子雷管の導入が重要な要素になると位置付けている。
海外では安全性向上などの観点から電子雷管への移行が進む一方、日本では依然として従来型雷管の使用が主流だという。担い手不足への対応や危険作業の削減を図るためにも、切り羽近傍での作業を低減する無線電子雷管の活用が有効とみている。
2023年にT-クイックショットを開発し、迅速な装薬による施工サイクルの効率向上を実現。さらに24年には、無線電子雷管「ウインデットII」に対応可能な仕様に機能拡張し、親ダイ・増ダイを結線作業なしで遠隔から同時に装てんできる技術を確立した。
今回の装薬ユニットは、装薬孔の中心を保持するスパイク式セントラライザ、ロッドの継ぎ足しや回収を行うロッドセッター、ホース類を送り出すホースフィーダーなどの装置で構成し、既存ドリルジャンボのガイドシェルへ後付け可能だ。特殊改造を必要とせず現場導入できる点も特徴となる。削孔と同一軸で装薬パイプを挿入することで位置合わせを不要とし、工程短縮を図る。
同社施工の山岳トンネル工事で実証試験を行い、あらゆる種類の装薬孔に対し一連の作業を人手に頼ることなく円滑に実施できることを確認した。
今後は、段階的に実爆薬による試験発破を実施するとともに、機械・装置間の連携制御を強化し、ヒューマンエラーを抑えた半自動化・自動化への移行を進める。掘削作業の完全自動化を目指して技術開発を加速する。
