政府は、日本の成長に欠かせないGX(グリーントランスフォーメーション)分野の一つ「次世代太陽光電池『ペロブスカイト太陽電池』」の需要創出に向け、海外展開に乗り出す。グリーンイノベーション(GI)基金などの実証モデルを活用し、「新興国工業団地モデル」と「先進国都市モデル」の二つの戦略を通じて、2026年度から海外実証を始める方針だ。
この取り組みは、政府が17日に開いた第15回「GX実現に向けた専門家ワーキンググループ(WG)」(座長・大橋弘東大大学院経済学研究科教授・副学長)で、新たに打ち出した一手となる。
同WGは、成長戦略17分野の一つ「資源・エネルギー安全保障・GX」分野の「官民投資ロードマップ」の策定に向けて検討を進めている。これに盛り込む日本としての勝ち筋に、今回の取り組みを位置付けたい考えだ。
この取り組みのうち新興国工業団地モデルは、日本で実施している支援を通じた工場屋根などへのペロブスカイト太陽電池の設置モデルを、日系企業の参入障壁が比較的に低い新興国の工業団地で実証しようとするもの。
多くの日系企業が進出しているASEAN(東南アジア諸国連合)には、日本と同じような工場があるため、金属屋根などに日本で確立した設置・施工方法の横展開が容易に行えるメリットがある。工場屋根に特化することで、シリコンとの競合回避や大規模展開も見込める。再生可能エネルギー電力のニーズの把握がしやすく、実証も含めた導入の提案が可能と考えた。
一方、先進国都市モデルは、日本で実施している都市部やインフラ空間などへのペロブスカイト太陽電池の設置の導入モデルを、先進国の人口密度の高いエリアに横展開できないかというもの。この場合、太陽光導入の政策支援や需要の予見性が高い上に、シリコンの設置が困難な公共施設・インフラ空間での社会的ニーズも見込まれる。電力料金が高く、ペロブスカイトによる再エネの追加性や経済性のメリットが出やすい。
その進出国の事例に、新興国ではインドネシアやタイ、先進国ではドイツ、オランダ、米国などを挙げた。具体的な国は企業側が選ぶことになるため、海外展開を企業に促していきたい考えだ。具体的な案件を創出し次第、予算的な枠組みの手当てとセットで、26年度にもこの具体化に着手する。
