プロジェクトの規模や立地によっては、工事場所が果てしなく広がっていると思える現場もあるだろう◆広大な地形や大きな建設物に対して、古代中国の人も同じ印象を受けていたかもしれない。『老子』には「大方無隅」(大きな四角は隅がないようだ)とある◆同書では大方無隅の直後に「大器晩成」と続く。ただ、前後の文脈や近年の発掘成果によると、「晩」は写本の誤字が由来で本来は「大器免成」(大きな器は完成していないようだ)だった、との説もある。巨大な施設は常にどこかで補修や増築などをしている、と感じるようなものか◆新年度で「自分のような未熟者が指導や指揮をする立場なんて」と感じている人もいるだろうが、自分を未完成と思うことは大器の片鱗とも言える。自分の可能性を信じて励んでほしい。
