東京都調布市で進められている「調布市グリーンホール等複合施設整備」が大きな局面を迎えている。市は当初検討していた建て替えに加え、新たに改修による施設の延命化を検討候補に加える方針だ。従来のPPP/PFI手法や市単独による建て替えと並行して検証を進め、年内に整備方針を示したい考えだ。23日に開かれた「新たなグリーンホールの整備に向けた専門家検討会議」で明らかにした。
同事業を巡っては、当初「公有地活用型PPP手法」での検討が進められていた。しかし、サウンディング(対話)調査で、定期借地権付き分譲住宅以外の機能では土地代の負担が見込めないという意見や、工事費高騰により事業者の応募が見込みづらいことが判明。その後、PFI手法への転換も検討されたが、2025年度のサウンディング型市場調査で、提案内容の適正な評価が困難であることや公共工事の想定価格が実勢価格に追いついていないといった課題が明らかとなった。
これを踏まえ、市単独での建て替えも検討したものの、21年時点で約100億円と見込んでいた概算事業費が現在では約170億円に高騰。単年度の財政負担が26年度当初予算案の10%に相当することから財政収支のバランスが成立しない可能性を同会議で報告した。一方で、市の担当者は「建替えを断念したわけではない」と語る。また、「市の単独整備だと民間機能を使ったにぎわい創出の難しさや財政負担の観点から、PFI手法の活用が捨てきれない」と苦悩をにじませている。
26年度は、劣化度調査の再調査と改修案、実施方法の再検討などを進めるため、早期に一般競争入札方式で事業者を公募する予定だ。
調布市グリーンホール=写真=は1977年に開館した。規模はSRC造地下1階地上5階建て延べ7268㎡。所在地は小島町2-47-1。
