建設工事は登山に例えられることがある。「工程は五合目まで来た」「施工の山場を越えた」など。出来高の累積曲線はまるで山を登るかのように上へ上へと進んでいく◆探検家の角幡唯介氏は「テクノロジーの進歩で効率的になったせいで、登山者が自分の能力を駆使して山に働き掛ける領域が狭くなった」と指摘している。エベレスト登山ですら、システム化されているという◆現場もそうであるかと問われれば、イエスともノーとも答えられる。ICTの活用で、施工が大きく効率化していることは否定できない◆一方、テクノロジーだけで全てが解決しないのも事実。常に人が危険を排除しながら、最適なルート=工程を確認しなければならない。完工という頂からの景色は、五感を研ぎ澄ませて登った者にしか見えてこない。
