国土交通省は、成長産業としての建設業の在り方を示す新たなビジョンを策定する。建設業団体や有識者で構成する検討会を今夏ごろに立ち上げ、現行制度・慣行の課題を洗い出し、建設業の持続的発展に必要な産業政策を議論する。建設業政策の今後の方向性を検討した有識者勉強会の提言を踏まえた会議体となる。2027年夏ごろの取りまとめを目指す。
27日に開かれた中央建設業審議会の総会で報告した。
勉強会の取りまとめでは、建設業の持続的発展に向けて、技能者の月給制への転換、業界全体での人材育成、地域建設業の経営強化、重層下請け構造の改善などを提言。具体化に向けて、建設業関係者による検討の場を設置するよう求めていた。
新たに立ち上げる検討会は勉強会の取りまとめをベースに、建設業が成長産業として持続するための施策を議論する。勉強会は有識者が中心だったが、検討会では当事者の建設業関係団体が入り、現行制度・慣行の課題を踏まえ将来の建設業の在り方や見直しの方向性を定めていく。
17年7月に公表した「建設産業政策2017+10」の進捗(しんちょく)状況もフォローアップする。検討会の下には経営事項審査などの制度の詳細を議論するWG(ワーキンググループ)を設け、検討会と並行して議論を進める。
同日の総会で日本建設業連合会の宮本洋一会長は「検討会で積極的に意見を申し上げていきたい」と表明した。全国建設業協会の今井雅則会長の代理で出席した山崎篤男専務理事は、日給制が温存されていることが休日確保や変形労働時間制を進める上で障壁になっていると指摘し、「人手余剰の時代の慣行から抜け出せていない」との問題意識を語った。
建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は、業務量の繁閑差が専門工事業の最大の課題とし、「サプライチェーン全体で繁閑差への対応の議論を続けることで安定経営につながる」と検討会での議論に期待を示した。
日本空調衛生工事業協会の藤澤一郎会長は、半導体工場、データセンターへの投資の活況化で設備工事業が果たす役割も高まっているとし、「設備工事業の視点も踏まえて次世代の建設業の方向性を出すため、(検討会に)参加をさせていただきたい」と意欲を見せた。
