
「社内の階段を上り下りする際、幹部を含む多くの人が手すりを未使用なのですね。安全最優先は口先だけですか」。ある大手公益企業の安全担当役員は、長年指導を受ける安全教育の有識者から厳しく指摘され、気付きを得ると同時に役員としての至らなさを恥じた◆発言の真意は、トップ自らが基本を順守していなければ組織全体に安全意識は浸透し得ないということだ。手すりの設置目的が転落防止であるのは言うまでもない◆7月1日から全国安全週間が始まる。スローガンは『多様な仲間と 築く安全 未来の職場』だ◆安全に特効薬はなく、全関係者が一つひとつの安全行動を積み重ねることでリスクが小さくなる。安全大会を開くこの機に、経営者が率先垂範できているかの再確認を。そこをおろそかにして安全は築けない。