「請け負け」解消の好機に/担い手確保など共通課題に向き合う/不動協×日建連 | 建設通信新聞Digital

1月11日 日曜日

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「請け負け」解消の好機に/担い手確保など共通課題に向き合う/不動協×日建連

 発注者の立場にある不動産協会(吉田淳一理事長)から、受注者側の日本建設業連合会(宮本洋一会長)に対し、前例のない要請活動が行われたことが判明した。まちづくりのパートナーである建設業の担い手確保や処遇改善などを共通課題として認識し、円滑で持続可能な都市開発の推進などを図るため、両者で意見交換する場を立ち上げ、国に対する提言や要望の提出も視野に入れる。建築費の高騰や建設業の担い手不足といった足元のピンチをきっかけとする今回の動きは、建設業界にとって長年の懸案だった「請け負け」の解消と、日建連が常々訴えているウィンウィン関係の構築に向けたチャンスでもある。 建設コストの上昇などを理由に、市街地再開発事業などの延期や中止などが各地で発生している中、不動協は「成長型経済に資するまちづくりの推進に向けて」と題し、建築費高騰などの問題にかかる緊急申し入れを日建連に11月26日付で行った。
 外国人技能労働者の受け入れをはじめとしたあらゆる対策を総動員した担い手確保、従事者のニーズをくみ取り意欲をかなえられる柔軟な働き方が可能な就労環境の創出、一人ひとりへの労務費の確実な行き渡り、生産性向上のための技術開発などを要請。個別案件の協議における円滑な意思疎通への協力も求めた。
 申し入れを受けた日建連の中原淳事務総長は「意見交換の場は絶対に必要だと思う。まだ、どのような形になるかは分からないが、国土交通省とも相談しながら、一緒になって課題解決に向けた検討を進めたい。先方の関心が高い再開発などについては、事業が成り立たなくなり、プロジェクト自体がなくなると、われわれにとっても大きなデメリットとなる。同じ方向を向いて議論をしていきたい。今後も個別案件ごとに交渉事はあるだろうが、共存共栄を目指さなければならない」と話す。
 改正建設業法を中核とする第3次担い手3法は、誠実な価格変更協議の実施や原価割れ契約の禁止などをうたい、請負契約の適正化が進むと期待されている。法律の後押しに加え、業界全体の人手不足などで「この条件が無理ならば、ほかのゼネコンに回す」というようなことも容易ではなくなった市場環境の継続は、必然的に発注者・受注者間に歩み寄りを迫る。
 建設業の担い手がいなくなれば、ゼネコンもデベロッパーも衰退の一途をたどるのは火を見るより明らか。発注者サイドとしては、建築費をなるべく抑えたいのが道理だろうが、担い手確保のための賃上げや休日の充実、猛暑対策を含む現場運営改革、生産性向上のための新技術活用などは、さらなるコストアップ要因にもなり得る。丁寧な説明で理解を得た先に、真に対等な関係は築かれる。発注者ニーズを可能な限りくみ取りつつも、建設業の持続可能性を確保するために必要な主張は遠慮なく行うべきだ。