静岡県/民活導入軸に検討/新中央図書館 計画など見直し | 建設通信新聞Digital

12月17日 水曜日

中部・北陸

静岡県/民活導入軸に検討/新中央図書館 計画など見直し

 静岡県が立ち上げた新県立中央図書館整備等プロジェクトチームは、国土交通省の社会資本整備交付金の見込額の大幅減額などを理由に再検討していた同図書館整備の見直しの方向性をまとめた。県直営方式としていた整備手法は、PPP/PFIや定期借地権方式といった民間活力の導入を軸に最適な手法を検討する方針だ。15日の県議会文教警察委員会で県の担当者が説明した。
 建設地は東静岡駅南口県有地東側0.97haを想定していたが、民間投資を積極的に呼び込めるよう同県有地全体2.43haを一体的に活用する。図書館整備に伴うマンション需要のほか、静岡市が整備する新アリーナとの相乗効果の観点からホテルや商業施設などの需要も見込まれるため、県有地全体に範囲を拡大し最適な配置を検討する。
 施設規模は現計画の延べ1万9800㎡から縮小し、事業費は298億円から削減する。収蔵能力は50万冊減らし、150万冊程度を上限とする。セミナールームやカフェ、ラボなどの導入を計画していたが、東静岡地区全体の機能最適化を踏まえ再検討する。開館時期は2028年度から、5-10年ほど延期する方針だ。
 今後、基本構想や基本計画などの見直しを進め、具体的な機能や整備手法を決める。
 24年10月に建築工事の一般競争入札を公告したが、参加申請がなく不調となった。これを受け、電気設備と機械設備両工事の入札も中止した。今年6月に新築工事を再公告する予定だった。基本・実施設計業務はシーラカンスアンドアソシエイツ(C+A)・アイダアトリエ・日建設計JVが担当した。