建設業政策の今後の方向性を模索する国土交通省の有識者勉強会は、建設業の働き方を第3次担い手3法以降の検討課題と位置付け、議論を深めている。建設業の人的資源の在り方をテーマとした会合では、所定労働時間を調整する変形時間労働制やフレックスタイム制を巡り意見が集中。現行制度は、建設業の作業特性を踏まえると運用面に難しさがあるとし、実態に即して制度の柔軟化を求める声が出た。 2025年12月24日に非公開で開催した第5回会合の議事概要を1月30日に公表した。委員を務める社会保険労務士法人アスミルの櫻井好美代表、東陽電気工事(福島県西郷村)の石川格子代表取締役の発表後に意見交換した。
変形労働時間制を巡り、ある委員は建設業での実効性が課題とし、柔軟に労働時間を設定できる制度にすべきと指摘した。小規模事業では1年単位の変形労働時間制の適用は難しいとする意見や、労務費の基準(標準労務費)と同様に変形労働時間制についても生産性向上のインセンティブ(優遇措置)が働く仕組みにすべきといった提言も出た。
フレックスタイム制については、制度を上手く活用して1カ月単位の総労働時間の管理を検討すべきといった意見や、労働者自身の裁量で働けるようになることで自律的な時間管理に寄与するといった声が寄せられた。一方、別の委員からは、現場作業の場合は使用者の主導で始業時間などが決まってしまい、労働者が自ら決めるという制度趣旨に反することになりかねないといった懸念が伝えられ、より柔軟な制度が望ましいとの意見が出た。
労働者派遣法で禁止されている建設業の技能労働者の派遣も論点となった。ある委員は、在籍型出向の活用で融通させるといった見方はスキルアップという本来の制度趣旨と異なるとし、適正な派遣の在り方について検討すべきと提言した。厚生労働省の労働者就業機会確保事業に関しても、時代に合わせた新しい制度の検討が必要だとする指摘があった。
建設業の働き方の課題を検討する上では、技術者と技能者、都心の元請け会社と地域建設会社それぞれで異なる役割を踏まえる必要があるとする意見や、国、業界、個社それぞれの立場で考えるべき内容を分けて検討すべきといった声も出た。
