国土交通省は、AI(人工知能)でロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」について、建設分野での活用や開発の道筋を示すビジョンを今春にもまとめる。ビジョンを具体化するため、建設業界やAI・ロボティクス業界による勉強会も立ち上げ、実用化に向けた技術開発を広げていく。
18日に「建設分野のフィジカルAI活用推進WG」の初会合を開き、方針を示した。ICT導入協議会の下に設置していた「建設施工における現場作業者支援のDXに関するWG」を改称した。
建設分野でフィジカルAIを実用化する重点事業や開発・普及の方向性をまとめ、「建設分野のフィジカルAIの展望」(仮称)として打ち出す。国交省は直轄土木や維持管理、災害対応での活用を視野に入れる。3月17日に開くピッチイベントで把握する建設企業のニーズやAI・ロボティクス企業のシーズを踏まえ、検討内容をビジョンに反映する。
ビジョン策定後は、建設企業やAI・ロボティクス企業などが技術開発の在り方を議論する「建設分野のフィジカルAIスタディグループ」(仮称)をWGの下に設置する。各業界の代表者や公募した会員で構成し、最新の技術動向と現場実態を擦り合わせて技術開発の裾野拡大を目指す。
同日のWGではこれまで議論してきたドローン、XR(あらゆる仮想空間技術)、アシストスーツの今後の活用促進策も示した。
ドローンは直轄での活用事例や技術開発の動向を整理したガイドブックを作成し、近く公表する。受発注者や開発者に現場活用や技術開発の参考にしてもらう。
ICT土工の3次元データを施工時にXRで活用するためのガイドも近くまとめる。複数図面や情報を統合させたモデルをAR(拡張現実)・VR(仮想現実)で表示するなど、さまざまな活用を想定した施工者向けの手引として作成する。
アシストスーツは2025年度に実施した現場試験の結果を3月にも公表する。2週間程度の長期利用による効果を検証した結果、不安定姿勢での作業時に疲労軽減効果が見られた。試験結果の取りまとめを発信し、活用を促す。
