国土交通省は、3月下旬にも建築物省エネ法の改正案を特別国会に提出する予定だ。建築物のライフサイクルカーボン(LCC)評価制度の2028年度開始に向けて、統一的なLCC排出量の算定ルールや算定結果の評価基準を定め、評価指針としてまとめる。評価の実施を促す措置や、省エネ性能を含む評価結果の第三者認証・表示制度も検討する。
建築主がLCC排出量の算出に当たって、現状では、J-CATや不動産協会建設時GHG排出量算定マニュアルなど複数の算定ツールがあるが、それぞれ算定ルールが違っている。統一的なルールを設けることで、ほかの建築物との性能比較を容易にし、自主的なLCC削減を促す。具体的には、設計図面から資材の数量を算出する方法や、建材や設備の原単位の整備などについてルールを定める。
評価の実施を促す措置については、延べ5000㎡以上の事務所の新築・増改築を対象に、建築主に着工前のLCC評価の届け出を義務付ける方針だ。その評価結果が著しく不十分だった場合は勧告などで削減の検討を促すため、その評価の基準を検討する。建築士がLCC削減を実施する意義や効果、削減措置などを建築主に説明する義務は、延べ2000㎡以上の非住宅建築物の新築・増改築を対象に設定する。
建築物の環境性能を広くアピールできるよう登録機関の第三者認証に基づく評価結果の表示制度を設ける。社会資本整備審議会が答申した住宅・建築物の省エネルギー対策に関する報告書では、表示例として、LCCを構成するオペレーショナルカーボンやエンボディード・カーボン、アップフロントカーボン、炭素貯蔵量、EPD(製品環境宣言)、第三者検証ありのカーボンフットプリントデータの活用状況などを挙げているが、どの指標を表示するかや表示方法について検討する。
建築物省エネ法の改正案では省エネルギー性能の向上についても施策を充実させる。住宅トップランナー制度は対象となる事業者のうち、特に多くの住宅を供給する事業者に対し、実績を踏まえつつさらに高い省エネ性能確保を求める仕組みを導入する。
自然換気システムやクール・ヒートトレンチシステムなど省エネの新技術については導入を促進するため、性能向上計画認定制度で特殊な構造や設備を活用する場合に省エネ性能を別途評価し、大臣が認定する仕組みを設ける。
