【総合評価で加点も視野】
国土交通省は、建設現場のデータをリアルタイムに集約・活用するICT施工ステージ2の対象工事を拡大する。過年度の試行工事で施工の効率化や生産性向上に加え、工事利益を増やして設備投資につなげた事例を確認。実施要領を改正して適用工種や実施項目を広げるとともに、活用事例の資料を充実して受注者の積極的な導入を促す。総合評価方式による加点措置も視野に入れる。
25日に開いたICT導入協議会で報告した。実施要領と参考資料の改正版は近く公表する。
ICT施工ステージ2は、建機の位置情報や稼働状況、施工履歴などのデータをリアルタイムに集約・活用し、資機材配置や作業工程の見直しによる効率化や省人化を目指す取り組み。施工計画段階でダンプトラックの運行経路をシミュレーションして運搬作業を効率化したり、施工時に画像データとAI(人工知能)を活用して安全関係書類を削減したりした事例などがある。
試行を始めた2024年度の実施件数は45件だったが、25年度は12月末時点で100件に拡大。建機メーカーやレンタル会社の勧めで、技術力向上や工程短縮を目的に導入した受注者が多い。
試行工事の受注者へのアンケートによると、ICT施工ステージ2の継続活用を望む意見が大半を占め、その理由として効率化や生産性向上、安全性向上などを挙げる声が多かった。また、「工事利益の増加により最新設備や社員教育への投資が可能となった」や「若手技術者でも施工計画を高精度に立案できる」など、工程短縮やコスト削減以外のメリットを実感する声もあった。
試行工事の結果を踏まえ、実施要領を見直し適用工種や実施項目を拡大する。実施項目については、CO2排出量の見える化による排出量削減など環境に関する取り組みを新たに加える予定だ。
参考資料としてまとめている活用事例も拡充する。試行工事で確認した活用技術や導入効果などを示し、受注者による導入判断に役立ててもらう。
ICT施工ステージ2の直轄現場で活用された市販システムも増えており、導入しやすい環境が整いつつある。実施要領の改正を通じて導入をさらに広げ、技術力向上や省人化だけでなく、設備や教育への投資など会社の成長につながる取り組みを後押しする。
