群馬県建設業協会の青柳剛会長は3月3日、前橋市の群馬建設会館で会見し、「今年は県内で極端な少雪となり、過去25年間で最少の降雪量になる可能性が高い。このままでは地域建設業の経営を圧迫し除雪体制の維持が困難になる」と指摘、除雪機械の維持費補助の充実や最低保証制度の導入など、行政の支援強化の必要性を訴えた。さらに人手不足が深刻化していることから、積雪状況を把握する巡回パトロールを減らすためのDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を提言し、災害対応組織力を維持するための事業量確保も求めた。
2月12日から20日に会員企業を対象に実施した実態調査結果を踏まえ、提言した。会員275社に調査票を配付し、257社から回答を得た。
調査結果によると、会員企業の25年度の除雪出動日数は、22-24年度と比較して少なく、降雪地域の沼田、吾妻支部でも11日以上の出動がそれぞれ13社、10社と過去3年の数字を下回った。
除雪機械の課題は、「自社機械の維持費の負担が大きいので設計計上を増額してほしい」が23%で最も多かった。このほか、「自社機械が老朽化しているので更新したいが資金面で難しい」が16%、「自社機械を購入したが少雪でほとんど稼働していない」が10%となった。
除雪オペレーターの課題点は、「高齢化が進み若年者の入職も進まず今後が心配」が28%で、「ドカ雪や長時間降雪の場合は人手不足で交替もできず、長時間勤務など無理な体制になってしまう」が17%、「若年者がいても熟練した運転技術の伝承が難しい」が13%、と続く。今後の体制維持に危機感を募らせる意見が目立った。
除雪の効率化に向けた施策として、「巡回パトロールの負担を軽減するための道路監視カメラや積雪深センサーの設置」を求める意見は30%となり、群馬県が書類削減に向け導入を進める「除雪支援システム」の普及と利便性向上に向けた改良を望む意見は11%だった。協会によると、監視カメラやセンサーの導入は「ほとんどない」状況という。一方で、「除雪作業は道路の詳細な状況を把握している熟練したオペレーターしかできないので、あまり効率化は望めない」との回答も11%あった。
提言を発表した青柳会長は、「少雪で除雪体制が維持できないと、数年に一度の大雪の際に除雪が進まず社会経済活動が停滞してしまう。除雪体制の崩壊は地域そのものの崩壊につながる」と警鐘を鳴らした。
