大和ハウス工業とフジタなど4社は、大和ハウス工業の住宅工場で発生する網戸の端材などをコンクリート補強用材料として再生する技術を開発した。従来、焼却されていた廃プラスチックを新たな製品の原料につくり変えることで、省CO2化と資源循環を実現。加えて、両社は開発材料を効率的に現場に適用できる新工法も開発。大和ハウスグループの建築物で性能などを検証した上で、顧客提案を始める。
プラスチック製品は、製品ごとに適切な性能を確保するための配合や再生材料の選定が難しく、廃棄物を新たな製品の原料として再利用するマテリアルリサイクルが進んでいない。そのため、現状では廃プラスチックを焼却した際に発生する熱エネルギーを利用するサーマルリサイクルが一般的だが、焼却時のCO2排出が課題となっている。廃プラスチックのサーマルリサイクルと単純焼却を合わせたCO2排出量(2021年)は推計1590万tにも上る。
大和ハウス工業とフジタ、バルチップ(岡山県倉敷市、萩原佳明社長)、関西化学工業(奈良県大和高田市、志野一弥社長)の4社は廃プラスチックである網戸端材と製糸性に優れた再生材料にバージン材料を独自の配合で混ぜ合わせたコンクリート補強用再生ポリプロピレン(PP)短繊維「アミチップ」を開発した。再生材料を50%以上配合しながら、従来のコンクリート補強用PP短繊維と同程度の引っ張り強度と製糸性を確保し、JIS基準を満たす。
大和ハウス工業は全国8カ所に戸建て住宅・賃貸住宅向けの部材を生産する工場を保有しており、年間で約2tの網戸端材が発生している。その2tの網戸端材をアミチップとして再生した場合、約2500m3の繊維補強コンクリートを製造可能だ。
製造時のCO2排出量は、バージン材料の配合比率を大幅に減らせるため、従来のコンクリート補強用PP短繊維と比較して製品1t当たり約740㎞削減できる。さらに、2tの網戸端材をサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルに移行することで、約8100㎞のCO2削減にもつながる。
施工時の負担も軽減
再生材料の開発と併せて、大和ハウス工業とフジタはアミチップを適用できるコンクリート補強工法「マクチップ工法」も開発した。コンクリート補強用PP短繊維を使用する従来工法ではミキサー車のドラム内で混ぜ合わせる方法が採られていたが、打設後にミキサー車のドラム内部に残った繊維の洗浄作業が毎回必要で、現場作業の負担となっていた。
マクチップ工法は打設されたコンクリート床の表面にPP短繊維を散布して埋め込むため、ひび割れ抑制効果は変わらずにミキサー車のドラム内の洗浄を不要にできる。同工法はフジタの技術センター付属棟「続(つづく)」に初適用している。
