国土交通省は、3月下旬に下水道法などの改正案を特別国会に提出する。埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、強靱で持続可能な下水道を実現するため、下水道管路の診断基準を法制化する。併せて政省令などで定める点検基準は、直径2m以上の大口径管路などに代表される重要管路の点検頻度を増やす。化学、力学、地盤の三つの要素で弱点が重なる箇所や硫化水素濃度が著しく高い箇所は3年に1回以上の点検とする。点検方法も従来の目視のほかに打音調査などの定量点検を加える。
下水道法のほか、道路法の一部を改正する。
老朽化の状況を確実に把握するため、管路の診断は、▽健全▽要監視▽早期措置▽緊急措置--の四つの健全度に区分して評価する方針だ。鉄筋コンクリート管やシールド管など構造に応じて診断基準を明確化する。鉄筋コンクリート管の場合、鉄筋が広範囲に露出している状態を緊急措置と評価し、緊急的に改築を実施する。
下水道の構造で考慮すべき原則として、点検や修繕、災害時の応急措置などが容易となることを追加する。例として重要管路の複線化や既設の管路を切断せずに設置できる割り込みマンホールなどを挙げる。
下水道管理者と道路管理者の連携強化に向けては、下水道の事業計画に道路管理者の協力が必要な事項を記載できる制度を創設し、共同による路面下空洞調査などを実施できるようにする。占用物件の維持修繕に関する協定制度も新たに設け、費用負担について道路法上の規定にかかわらず取り決めることを可能にする。
占用許可制度に関し、道路管理者が占用物件の点検計画や正確な位置を把握できるよう、申請書の記載事項に占用物件の維持管理に関する事項を追加するほか、道路の地下に埋設する占用物件については竣工図などの提出を義務付ける。
事業者間の連携推進などを盛り込んだ下水道の基盤強化に向けた基本方針を新たに定め、都道府県による広域連携推進計画の策定制度を創設する。市町村が管理する公共下水道を都道府県が管理できる特例や管理者間の協議により点検、修繕、改築を他の自治体が代行できる制度も新設する。
人口密度の低下により、下水道から浄化槽に転換するニーズの増加が見込まれることから、下水道区域を廃止・縮小する際の手続きを明確化する。
