建設業主要4団体は19日に開かれた国土交通省との意見交換会で、賃上げの取り組みや改正建設業法の措置内容について状況を報告した=写真。労務費の基準(標準労務費)をベースとする新たなルールの実効性を確保し技能者の賃上げにつなげるため、民間発注者への指導や入札契約制度の改善を求める意見が出た。
日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会のトップが出席し、2026年の技能者の賃上げ目標を「おおむね6%」とすることを申し合わせた上で意見を交わした。
日建連の宮本洋一会長は、適正な労務費の確保と行き渡りについて「サプライチェーン全体での価格転嫁の実現が重要だ」と強調し、国交省に対して民間を含めた発注者への指導を求めた。不動産協会との意見交換に向けて調整を進めていることを伝え、民間工事請負契約約款の活用促進のための周知を要望した。
その上で「仕事量が減ったときにダンピング(過度な安値受注)に陥ると元のもくあみとなる。労務費にしわ寄せがいかないためのルールをきちんと守ることが大切だ」と述べた。
全建の今井雅則会長は、全産業平均と比べて建設業の賃金水準は18%の開きがあることを説明し、「賃上げができる環境整備をお願いしたい」と訴えた。公共工事では元請けの自社利益が落札率により圧縮されるとし、入札段階で労務費の引き下げが発生しないよう予定価格や入札制度の見直しを求めた。
全中建の河崎茂会長は「企業努力による賃上げも限界に達している」と窮状を述べ、適正な労務費の行き渡りに向けて地方自治体発注工事で予定価格に近い額で受注できる環境の整備を要請した。改正法の措置内容については「少しずつだが地域の中小建設業者の課題解決につながっている」と伝えた。
建専連の岩田正吾会長は、標準労務費の受け止めについて工事発注責任者や現場所長によって温度差があるとし、「標準労務費が早急に運用されないと賃金アップにつながらず担い手確保にならない」と危機感をあらわにした。閑散期ほど安値受注が横行するとし、建設Gメンによる指導の徹底も求めた。
最後に金子恭之国交相は「賃上げや生産性向上に向けた環境づくりを責任を持って前に進めるとともに、将来に希望が持て若者にも魅力的な新しい時代の建設業を皆さんと一緒につくり上げたい」と述べた。
