日本建設業連合会(宮本洋一会長)は25日の理事会で、2026年度事業計画を決定した。昨年7月に公表した建設業の新長期ビジョンの具現化に歩み出す。35年度をターゲットに、生産性25%向上を図りながら、異次元の処遇改善を実現し、選ばれる産業への変革を目指す。宮本会長は「26年度は、ビジョンで掲げた取り組みを着実に推進していく段階となる。生産性向上や働き方改革、人材育成、処遇改善などを一体的に進め、国内外の人材から選ばれる新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の魅力ある産業となるよう全力で取り組む」と強調した。 =関連2面
26年度の重点方針には、▽新長期ビジョンに基づく具体的な取り組みの推進▽労働規制の柔軟化をはじめとした働き方改革の推進▽建設事業にかかる全ての関係者のウィンウィンな請負関係の構築▽防災・減災、国土強靱化、インフラ老朽化対策をはじめとした積極的な公共投資の推進▽建設キャリアアップシステム(CCUS)の促進、経験や技能に応じた適正な労務賃金の実現など技能者の処遇改善による担い手確保に向けた取り組みの推進--など8項目を掲げた。
事業計画の中には、全現場での土日祝日一斉閉所、技能者の40代での平均年収1000万円超や年平均7%以上の持続的な賃上げによる所得倍増、外国人材が主要な担い手としてキャリアアップしつつ活躍する環境の国を挙げた整備など、新長期ビジョンの目標をちりばめながら具体的な取り組みを列挙した。
労働環境改善、作業所閉所推進の両ロードマップに定めた労働時間削減や現場閉所の目標達成に取り組む。改正建設業法などに基づく新たなルールの下、サプライチェーン全体での価格転嫁を確実に行えるようにするため、発注者や協力会社とのコミュニケーションや相互理解を一層深める。土木分野では、公共発注者に比べて価格転嫁などの取り組みが遅れている民間発注者に対し、公共工事の先進事例の横展開などによって働き掛けを強化する。
公共投資については、労務・資材価格の上昇などによって、公共事業関係予算が実質目減りし、必要な事業量が十分確保できていないと指摘。価格上昇分が適切に反映された必要十分な予算確保、とりわけ当初予算の増額を国に強く働き掛ける。
技能者の処遇改善では、CCUS色別カードの普及とレベル別年収の支払い促進、国土交通省との申し合わせによる「おおむね6%の引き上げ」を達成できる賃上げなどを推進。公共工事設計労務単価は、実態調査の結果を反映させる現行方式を改め、政策的に引き上げる方式への転換を提案する。
生産性向上に関しては、技術開発・設計、施工、維持管理の各フェーズにおいて、BIM/CIMやAI(人工知能)、ロボットなどの先端技術の活用を推進する。併せて、国交省直轄工事に導入された技術提案評価型SI型の対象拡大や横展開、新技術・新工法の現場実装を促す新たな仕組みの構築を公共発注者に呼び掛ける。
