政府は、「AI(人工知能)ロボティクス実装ロードマップ」をまとめた。16分野を対象に短期的に取り組むタスクや、2030年ごろ以降の中長期的な技術的課題などを整理している。短期的には、既存技術の延長で実現でき、ユースケースを想像しやすい「見回る」「モノを動かす」といった動きの実現に注力することとし、点検や搬送、ハンドリングなど八つのタスクを先行対象として選定。中長期的には、技術開発・コスト・社会実装のハードルが高い「指作業」に着目し、具体的なユースケースの特定と研究開発などに着手して技術の確立・実装を目指す。
この16分野の中には「建設・土木」「建築」「インフラ保守」などが含まれている。こうした分野で、8タスクに関係あるものとしては屋外・屋内の点検が多く、1、2年程度での実装が検討されるものとして、建築分野の測定・検査・記録、墨出しを挙げている。30年までの実装が検討されるものには、建設・土木分野の調査・測量(災害調査を含む)、土木インフラ点検を掲げ、その短期の技術的課題として不整地・斜面での安定走行を可能にする走行機構の開発などを列挙した。
タスクの一つ、屋外・半屋外の搬送では、1、2年程度での実装が検討されるものとして、建設・土木(土工)分野の現場内小運搬を挙げた。
30年までの実装が検討されるものには、建築分野の垂直搬送、水平搬送、建設・土木(土工)分野の運搬を挙げ、その短期の技術課題として、日々変化する作業動線に応じたマップ作成、現場の揚重計画との連携、搬入物の種類、形状、重さと目的地の自動取得機能を明示した。
ハンドリングのタスクでは、30年までの実装が検討されるものに建設・土木(土工)分野の積み込み、掘削、敷き均しを挙げている。その短期の技術的課題は、人・他機械・障害物が混在する現場環境や積載状態を考慮した安全な作業計画・制御技術の確立、施工で変化する現場環境や粉じん・視界不良、GNSS(衛星測位システム)不良環境などの条件に対応した環境認識と自己位置推定技術の確立を挙げた。
建設・土木、建築の両分野では、中長期的な技術的課題として、多様な地形・地質・天候条件や多様な施工条件に適応可能な自律作業技術の確立や、熟練オペレーターと同等の作業効率・品質を実現する高度な自動操作技術などを指摘。制度面では、土木・建設の場合、ロボットに対応した施工や維持管理関係基準(出来形、品質、安全、点検内容及び手法など)・積算基準の整備を課題に挙げた。建築の測量・測定、検査・記録の場合、工事現場と建設事務所間で四足歩行ロボットを公道で自立的に移動させるときの法令での走行ルール整理などを課題として明記した。
