国土交通省は、山岳トンネル工事の省人化に向けた自動施工技術の試行工事について2026年度の方針を固めた。自動施工技術の提案を求める作業は、25年度に対象とした鋼製支保工以外で新たに設定する。危険性が高い切り羽や側壁に近い作業を優先しつつ、工事全体の省人化を考慮して有用な技術を適用できる作業を選ぶ。総合評価方式の技術提案評価SI(エスイチ)型で3件程度の発注を予定する。
試行工事は山岳トンネル工事の自動施工技術の基準類整備を目的に、25年度から始めた。山岳トンネル工事の作業工程から自動施工技術を適用する個別の作業を選定し、SI型で費用計上する技術向上提案テーマに設定。テーマは年度ごとに同じ内容とし、多くの自動施工技術を試行して事例を蓄積する。
25年度の試行工事は、鋼製支保工の省人化施工を技術向上提案テーマに設定した。災害リスクや実用化している技術の数を踏まえ、穿孔(せんこう)、装薬、ロックボルト工を含む4項目から選定。北海道開発局の「一般国道299号島牧村新穴澗トンネル工事」(受注者=鹿島・伊藤組土建JV)、中部地方整備局の「令和7年度1号藤枝BP原トンネル工事」(同=大成建設)、四国整備局の「令和7-11年度安芸道路安芸トンネル工事」(同=清水建設)、九州整備局の「宮崎218号越次トンネル新設工事」(同=大林組・矢野興業JV)の4件を対象工事として発注した。
26年度の試行工事では新たな技術向上提案テーマを設定する。災害リスクのある切り羽や側壁に近く、実用化している技術が多い作業を引き続き優先する。山岳トンネル工事全体の省人化に向けて一連の作業で自動化が求められることから、全体最適の視点も考慮してテーマを定める。対象工事は省人化施工試行工事である旨を入札公告に明記する。
過年度に発注した試行工事4件の現場実態調査も実施し、数年かけて基準類を整備する。基準類をベースとした自動施工技術の活用を促し、熟練作業員の経験や技量に頼らない施工方法を確立していく。
