日本建設業連合会の宮本洋一会長、不動産協会の吉田淳一理事長は9日、建設業の担い手確保や建築費高騰などの課題解決と、両団体の連携強化に向けて意見を交わす協議体の設立を表明した。両者は東京・霞が関の国土交通省を訪ね、金子恭之国交相に協議体の立ち上げを伝え、制度面と政策面の支援を要望。金子国交相は「(協議体設立は)歴史的な取り組みだ。両団体の思いが実現するよう最大限努力する」と力を込めた。
協議体の設立は、2025年11月に不動協が日建連に対して行った建築費高騰などに関する緊急申し入れを受けたもの。建築費の問題のみならず、担い手不足や働き方、生産性に関する課題が克服されなければ、日本経済の低迷を招く恐れがあるとの危機意識を共有。サプライチェーンの先頭に立つ発注者、元請けを代表する両団体による協議体の設立を、建設業、不動産業の持続可能性を高める第一歩と位置付け、まちづくりや国土づくりの共通課題の解決に向けた道筋を議論する。
意見を交わすテーマには、▽担い手確保▽就労意欲に応じた柔軟な働き方の確保▽労務費の行き渡り▽生産性の向上▽都市再生関係事業への支援措置の充実--の5項目を設定。初会合などの具体的なスケジュールは今後詰めていく。
宮本会長、吉田理事長は協議体設立に対する理解と、制度面、政策面の課題解決に向けた支援を求める連名の要望書を金子国交相に手渡した。
金子国交相は「建設業と不動産業は社会経済システムを支える基盤整備産業として一体的に発展することが必要だ。建設投資の7割を占める民間工事で適切な価格転嫁を進めるべきという思いはかねてより強い。両団体で協議体を立ち上げ、パートナーシップ強化と課題解決への連携強化に取り組む意義は大きい。国交省としてもできる限り応援したい。日本経済を前に進める大きな力になる」と述べた。
会談後、取材に応じた宮本会長は「両団体が発注者と元請けを代表して意見交換し相互理解を深めることは、その他の民間発注者、建設業団体を含むサプライチェーン全体に大きな影響がある」と協議体の意義を説明。建設業の持続性を高めるためには、公共工事で進むスライド条項や週休2日などを民間工事に波及させることが課題とし、協議体での議論を「ウィンウィンの関係につなげたい」と展望した。
吉田理事長は「再開発事業がストップしたり計画が大幅に変更したりする中で、国土強靱化や経済成長のために果たすべき役割を十分に果たせていない。さまざまな社会課題に対し、協力して一歩でも前に進めることが将来にとっても非常に大切だ」と強調。「コストを下げることが目的ではなく、手を携えて課題解決していく端緒にしたい」と決意を示した。
