熊本地震の発生から14日で10年となる。住まいの再建や道路などインフラの復旧はおおむね完了し、復旧・復興を県全体の発展につなげる「創造的復興」の段階に移行している。国や県市町村、建設業など関係機関が「チーム熊本」で取り組んだ復旧・復興の歩みは、単なる原状回復にとどまらず、さらなる発展を支える強靱な土台となった。 =関連8面
熊本県が掲げた創造的復興の重点10項目は、半数を達成し、2052年度完了予定の熊本城再建を除いて27年度までに全て完了する見通しだ。熊本県が推定した県内被害額は約3兆8000億円。県が26年度当初予算までに計上した累計約1兆円を含め、事業の大部分が実施された。
大規模な斜面崩壊で幹線道路・鉄道が寸断された阿蘇地域は、直轄事業で道路復旧が進められた。着工から4カ月足らずの16年12月24日に暫定通行を再開した県道28号熊本高森線の俵山トンネルルートを皮切りに、同線の被災前ルートや国道57号が順次開通。21年3月の新阿蘇大橋開通で熊本市と阿蘇地域を結ぶ被災主要道の復旧が完了した。
住まいの再建は、仮設住宅に入居した全約2万世帯への土地引き渡しを3月に完了した。益城町の復興まちづくりは、約28.3haの復興土地区画整理事業の約8割で造成工事に着手した。27年度の事業完了を予定している。
復旧・復興を実現した背景には、建設業の献身がある。熊本県建設業協会によると、16年4月14日から12月24日までに、延べ3万6000台の建設機械、延べ6万5000人の建設業者が昼夜を問わず応急復旧に従事した。応急復旧箇所は1万6000カ所に及ぶ。
日本は、この10年で幾度となく大規模災害を経験し、防災・減災のための国土強靱化対策が進み、災害支援体制はより良い方向に変容を遂げた。働き方改革やインフラDX(デジタルトランスフォーメーション)も進む。それでも「地域の守り手」としての建設業の役割は変わらない。
熊本県建設業協会の前川浩志会長が「地域を熟知する業者がいなければ地域は守れない。現在の体制を維持することが一番の目標だ」と語るように、人口減少が進む中で災害対応の要となる建設業者が存在しない“空白地帯”を生み出さない仕組みづくりが急務となっている。
