RIZAPグループ(瀬戸健社長)は14日、子会社の「RIZAP建設」を本格始動すると発表した。「24時間ジム」の年間出店数でギネス世界記録認定を受け、1909店舗まで拡大した「chocoZAP(チョコザップ)」の急成長を支えた店舗開発の内製化スキームを、外部へ提供するのが狙い。建設現場での仕事をジムでのトレーニングと再定義し、RIZAPならではの新3K(健康、快活、給与アップ)の実現を目指す。
深刻な人手不足やコスト高に直面する建設業界に対し、製造工場との直取引、職人の直接雇用、直接分離発注の三つの「直」を追求し、建設業の常識を覆す。物件選定から店舗設計、資材調達、その後の搬入・組み立てまでを一貫して支援する、独自のノウハウを通じて、工期の短縮やコスト削減に臨む。
グループ全体で社員を(RIZAP建設会社へ)リソースシフトし、今期中に最大500人規模の体制を確立する。RIZAPトレーナー育成カリキュラムを応用した職人の育成や、20以上の協力会社による実地研修などにより、プロフェッショナル人材に育て上げるとしている。
14日、東京都新宿区のグループ本社で開かれた記者発表会で、瀬戸社長は「社会がこうと決めつけているエッセンシャルワーカーの在り方を変えていきたい」と意気込んだ。
◇RIZAP建設社長の幕田氏に聞く

パーソナルトレーニングジム「RIZAP」や、誰でも気軽に通えるフィットネスジム「chocoZAP(チョコザップ)」などを全国展開するRIZAPグループによる建設会社が本格始動する。これまで約2,000店舗を開発・運営してきたノウハウを生かし、主に店舗の内装工事を担う。幕田純社長に本格始動に至る経緯や社員の育成方法などを聞いた。
幕田社長は「自社が運営する店舗の出店・管理を行う店舗開発部門を整理し、外部企業からの依頼は『RIZAP建設』が担うことにした。什器や備品の調達から施工までを一貫して受注する体制とし、さらに施工後のフォローアップとして、広告やバリューアップ工事まで支援する」と説明する。
同社には、1年間で1000店を超える自社店舗の出店を通じて蓄積した施工管理・標準化ノウハウがある。こうした実績が評価され、携帯キャリア会社から店舗展開を推進したいとの依頼を受け、2025年11月から26年2月のわずか4カ月で約180店舗を施工した。チョコザップの店舗展開に当たり、「トレーニングマシンや家具、備品などを海外から直接輸入している」といった調達力を生かし、「発注者にとっても価格面で満足してもらえるような施工ができる」と胸を張る。
依頼を受けた携帯キャリア会社からはその後、基地局の設置に向けた相談もあり、「工事費の高騰といったお客さまの困り事を解決していきたい」と力を込める。
さらに同社は大きな構想を持っている。「グループ会社全体でAI(人工知能)の活用を徹底させ、グループ約60社の社員を(RIZAP建設へ)リソースシフトし、数百人規模の体制にする計画がある」と明かす。技術者・技能者両面で人材を育成する方針を示す。
しかし、建設業とは縁もゆかりもない社員が多い。どのように会社を成長させていくのか。そこに幕田社長のキャリアが生かされる。
実は幕田社長は、RIZAPを始めた時に、ゼロからパーソナルトレーナーを育てる「カリキュラム」を作り上げた経験がある。
RIZAPグループの祖業は、健康食品や美容商材の通販会社だったが、パーソナルトレーニング事業を初めて立ち上げたとき、その通販会社などの社員をトレーナーに起用した。女性が多く、トレーニングの知識もなかったが、幕田社長は「『体を変えることは誰かのためになる。夢や思いがあれば、誰でもパーソナルトレーナーになれる』と力説した」という。
そのノウハウが「建設会社でも通用するのではないか」と考えている。「職人の育成カリキュラムなどを整えれば、建設業のなり手不足にも対応できる」とし、先端技術も積極的に活用しながら業界全体の課題解決にも意欲を示す。
幕田社長は「店舗があるからこそ実感できる価値がある」と語る。だからこそRIZAP建設に来る社員に対しては「数年後、自分たちの手掛けた店舗やオフィスなどが世の中に広がって影響を与えていく」とその魅力を伝えることで、仕事に誇りを持ってもらう。
今後に向けて、「店舗の内装一式だけでなく、マンションや住戸の内装、建設にも裾野を広げていく」と前を向き、建設業に〝コミット〟する姿勢を示す。

