【得意分野生かし差別化】
1日付でDAIKENの新社長に清洲忠洋氏が就任した。2023年に親会社となった伊藤忠商事出身としては初めての社長となる。木材事業をはじめとする得意分野を生かしながら、海外事業などで伊藤忠との連携を武器にしていく。コーポレートメッセージ「ずっとここちいいね」に「ずっと成長する」を組み合わせ、「DAIKENにしかできないことを強化していきたい」と意気込む清洲社長に経営方針や今後の展開について聞いた。
--抱負を
「長期ビジョン『TryAngle2035』の始まる節目の年に社長という大役を引き受けた。長年当社をけん引してきた億田正則前社長の後任ということで身が引き締まる思いだ。億田会長には変わらぬ指導をしていただきながら役割分担をしていく。落下傘社長と思われないように最善を尽くす。高市早苗首相のように“働いて働いて働いて働いて働いて”会社の発展に尽力したい」
--注力事業について
「当社の開発・技術力は非常に高く、自分たちで市場をつくったら強い。商品力で差別化するとともにプロダクトアウトの力と伊藤忠のマーケティング力を融合させ、さらなる成長につなげていく。億田会長が注力してきた音ラボ事業や得意とする木材事業など当社の強みを生かしていきたい」
「26年度は子会社化したDAIKEN North America、DNAL社で新規木質ボードのディオウッドコアの製造に注力する。6月に試験生産し、秋に市場投入する予定だ。まさにDAIKENにしかつくれない製品なので他社と差別化できる。伊藤忠と連携しながら海外事業も強化していきたい」
--より伸ばしていきたいことは
「組織や人の横連携をしながら新規事業などを展開していけたらいい。当社の多様な人材を融合することで組織が活性化し総合力が高まっていく。個人の成長が会社の成長につながるので、その仕組みをつくっていきたい。まだまだ伸びしろがある会社だと思っている」
--人材育成について
「4月に人事制度を10年ぶりに改定し複線化した。従来は全国コース、地域限定コースに分けていたが総合職グローバル(転勤あり)、総合職エリア(転勤なし)、技能・事務職、スペシャリスト職(専門業務)、エキスパート職(外部人財登用)の5コースに再編した。一定の条件の下、コースは行き来できるので、子育て、介護などプライベートの状況にも対応可能だ」
「ジョブローテーションも活性化させ、若手社員には複数の部署を経験してもらう。自分に合った仕事を見つけてほしい。いろいろな人の話を聞くと刺激を受けるし、複数の部署を経験することで社内ネットワークも強化できる」
「私自身も商社時代に日本での仕事と海外駐在を両方経験して知見が広がった。人材を活性化することで会社も活性化させていきたい」
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(きよす・ただひろ)1988年3月大阪外国語大(現阪大)外国語学部卒後、同年4月伊藤忠商事入社。2024年4月大建工業(現DAIKEN)に出向して専務執行役員COO、同年6月代表取締役、25年3月伊藤忠商事退社後、同年4月代表取締役兼専務執行役員COO兼CSO。大阪府出身。65年8月4日生まれ、60歳。
◆記者の目
伊藤忠商事時代はパルプ事業を担当していたため、木材事業を得意とするDAIKENにも知見が深い。座右の銘は『笑門来福』。「大阪人だから面白いやつが偉いという文化で育ってきた」と、インタビュー中も関西弁の軽妙な語り口で時折笑いが起こった。DAIKENの伝統を引き継ぐとともにコミュニケーションを大切にしながら新たな風を吹かせていく。
