滋賀県は、県庁舎の今後の在り方や方向性を議論するため、2025年度に「滋賀県庁舎等のあり方検討懇話会」(座長・中嶋節子京都大大学院人間・環境学研究科教授)を設置した。委員からは歴史的価値の高い本館を全面保存する一方、その他の施設については、機能集約などを視野に改修・建て替えを求める声が上がっている。今後は、26年度内に懇話会で報告書を取りまとめ、県は内容を踏まえ今後の方針を検討していく予定だ。
懇話会では本館の保存・活用方策を中心に議論を進めた。文化的に価値が高いことに加え、基礎調査の結果、建物の状態が非常に良く今後90年は使用可能と評価されたことから、全面保存が有力とする意見が相次いだ。活用策としては、平常時と災害時の垣根をなくすフェーズフリーの考え方を採り入れ、1階を県民利用スペースとして開放するほか、中庭や屋上を有効活用することなどが挙がっている。
一方で周辺施設については、防災機能の強化などが課題となっている。建築基準法の2類相当を満たす耐震性能の確保に加え、災害時に応援団体を受け入れる活動スペースが約800㎡不足していることなどが指摘された。
これを受けて県は、庁舎の再配置を含めた土地利用方針案を提示した。建て替えずに大規模改修で対応する案、庁舎の一部を解体し広場を整備する案、築年数が古い庁舎のみを建て替え・集約する案、既存庁舎を2棟に集約する案の4パターンを提案している。
今後の懇話会では、各パターンのメリット・デメリットなどを比較検討し、必要な機能や規模、事業費について議論していく予定だ。基礎調査業務は山下設計・三菱UFJリサーチ&コンサルティングJVが担当している。
庁舎は、RC造地下1階地上4階建て総延べ1万6472㎡の本館(1939年完成)、地下1階地上5階建て延べ3271㎡の北新館(74年完成)、SRC造地下1階地上7階建て延べ8835㎡の新館(74年完成)、SRC造地下1階地上7階建て延べ5798㎡の東館(83年完成)、RC造5階建て延べ5487㎡の危機管理センター(2015年完成)、RC造平屋建て595㎡の公館(1993年完成)で構成。いずれも耐震補強工事か新耐震基準での整備により耐震性は確保している。本館は、建築家の佐藤功一氏が手掛け、国登録有形文化財として登録されている。
所在地は大津市京町4-1-1ほか。
