熊本県と合志市は27日、くまもとサイエンスパークの「イノベーション創発エリア」の事業推進パートナーとなる三井不動産と基本協定を結んだ。同社は、熊本県合志市で同エリア約31haを開発し、半導体の量産と研究開発機能を一体的に備えた拠点を形成する。5月から造成工事に着手し、2027年後半以降の段階的な施設完成、30年の全体完成を目指す。
半導体関連企業が集積するセミコンテクノパーク(合志市、菊陽町)周辺地域で計画するサイエンスパークの実現に向け、三井不動産と熊本県、立地自治体の合志市の3者が連携し、半導体関連産業のさらなる集積や大学・研究機関の誘致などを推進する。
サイエンスパークの中核となる同エリアでは、台湾積体電路製造(TSMC)の子会社・JASMの第2工場での先端3ナノ半導体の製造を見据え、R&D(研究開発)から量産までの幅広いエコシステムを構築する。具体的には、量産企業向けの工業用地のほか、オフィス・R&D施設、インキュベーション施設、イベント・セミナーなどの活動を支えるコミュニティー施設、飲食・銀行などのワーカー支援施設の整備を想定している。誘致企業は数十社を見込む。建設地は同市竹迫。敷地面積約30万9444㎡。造成工事は2期工事で進め、JASM第2工場稼働に合わせた第1期工事完了を目指す。施工者は非公表としている。
三井不動産は、エリア開発に加え、企業誘致や立地企業への区画譲渡を担う。また、県と共同で設立するパークマネジメント法人を通じて、誘致企業と研究機関のマッチング、各種行政手続きのワンストップサービスを提供する。
協定締結式で三井不動産の細田恭祐執行役員ソリューションパートナー本部長は「半導体による産業競争力の強化こそが、地方創生の最も強力な解決策だ。当社の強みを生かし、熊本を世界に誇れる半導体の聖地とするために微力を尽くしたい」と述べた。
木村敬知事は、同エリアについて「最先端の半導体を活用してAI(人工知能)や自動運転などの新たな産業に挑戦する産官学連携の場となる。科学の力で人々が幸せになる循環を熊本から生み出したい」と期待を寄せた。
