東京都は、都市防災機能の強化に向けた無電柱化を一層推進していく。大規模災害発生後の救出・救助活動の迅速化を見据えて重点整備エリアを従来の環状七号線の内側から環状八号線まで拡大する方針だ。2026年度から5カ年で、都道全体のうち320㎞での新規事業着手を目指す。併せて東京港周辺でも整備を進め、臨海道路など15㎞、埠頭(ふとう)敷地など4カ所でも事業着手したい考えだ。
都建設局が「東京都無電柱化計画」の改定案、港湾局が「東京港無電柱化整備計画(令和8年度~令和12年度)」の案をまとめた。
都はこれまで、「電柱を減らす・増やさない、費用を減らす」の無電柱化3原則を掲げて事業を推進してきた。25年度末時点では都道の整備対象長さ2328㎞のうち、1146㎞で整備完了している。このうち、おおむね首都高速中央環状線の内側を指す「センター・コア・エリア」内では、おおよその整備が完了しているほか、臨海道路などの整備対象85㎞では48㎞で整備が完了済み。地中化率は全体が49%。区部69%、多摩地域24%で、島しょが3%。
これを踏まえ、30年度の完了目標は、都道全線で60%、第1次緊急輸送道路が80%、環七内側が90%、区部30駅、多摩50駅の主要80駅周辺が75%とした。
人命救助・応急復旧の拠点をつなぐアクセスルート整備の観点も折り込み、環八内側と立川広域防災基地や災害拠点病院などの防災拠点アクセス強化路線では同年度までに全線で事業着手する考えだ。35年度に第1次緊急輸送道路や環七内側、東京港緊急輸送道路で無電柱化完了、40年度に環八内側や島しょ全線約170㎞で事業完了し、40年第に区部・多摩全線での無電柱化完了を目指す。
東京港では緊急輸送道路に加えて、これ以外の全ての臨海道路や埠頭敷地を対象に追加し、全エリアで無電柱化を推し進めていく。島しょ部は台風被害などによる整備優先度の見直しを実施。新たな区間約30㎞で事業着手する方針だ。
担い手不足などの課題を踏まえ、電力・通信工事の同時施工の推進、水道・電線共同溝工事の同時施工の効果検証なども並行して進める意向だ。
