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「補正+当初」以上の総額確保/強靱化や成長投資は聖域化/日建連 骨太の方針見据え要望開始

掲載日 | 2026/05/22 1面

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木原官房長官(中央)

鈴木幹事長(中央右)

 政府が例年6月中に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」を見据え、日本建設業連合会(押味至一会長)が、公共事業予算の抜本的拡充を目指す要望活動をスタートさせた。2025年度補正予算と26年度当初予算の合計額を上回る予算規模による実質事業量の確保をはじめ、国土強靱化や大型インフラプロジェクトなどの危機管理投資・成長投資に該当する公共事業予算の“聖域化”を政府・与党に働き掛ける。

 押味会長、蓮輪賢治副会長・土木本部長、相川善郎副会長・建築本部長らは20日、木原稔内閣官房長官、鈴木俊一自民党幹事長とそれぞれ面会し、要望内容を説明した。
 日建連は、危機管理投資の“一丁目一番地”として「令和の国土強靱化」を強力に推進するとともに、幹線道路ネットワークや港湾・空港の整備など、日本経済の生産性向上に直結する成長投資を積極的に進めるべきと主張。日本が長年「未来への投資不足」に陥る一方で、主要先進国が大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策にシフトする中、高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」は、これまでの投資停滞を打破する大きな転換点だと期待を込めた。
 加えて、物価や賃金、金利を巡る経済環境が大きく変化し、従来の予算編成の延長線上では、真に必要な事業量を確保することは困難な状況にあると指摘。中東情勢の影響によるさらなるコストアップへの対応も含めて、政府予算の予見可能性を高め、財政計画の信頼性を確保するためには、物価・賃金を的確に反映しつつ、経済の成長力強化と名目の経済規模拡大にふさわしい予算編成への転換が求められると訴えた。
 また、予算編成過程でしばしば繰り返される施工余力問題やクラウディングアウト論にも先回りで反論。生産性向上の進展と実質事業量の減少で人手不足感もなく、施工余力は十分にあるとしたほか、協力会社も土木と建築分野では異なることから、公共事業の増加が民間投資に影響する心配はないと断言した。
 このような考え方の下、日建連は、単年度主義や補正予算への依存を見直し、当初予算で安定的な公共事業費を確保すべきとし、特に27年度については、25年度補正と26年度当初の合計額を上回る規模を求めた。要望書に具体的な金額の明示はないものの、合計額は約8兆7000億円で、物価上昇分も加味すれば、9兆円程度が当面目指す姿になると言えそうだ。
 通常歳出とは別の「新たな投資枠」を創設し、危機管理投資・成長投資としての公共事業を当初予算で別枠確保すべきとの要望も盛り込んだ。国民の生命・財産を守る国土強靱化や経済成長に資する大規模プロジェクトなどに使途を限定するイメージ。入札契約手続きに相当の期間を要し、複数年度にわたる投資の特性に鑑み、当初予算での措置を基本とするよう提案した。
 このほか、AI(人工知能)活用を含む自動化・省人化技術などの研究開発や社会実装を促すための予算拡充も働き掛けた。公共事業費からの捻出ではない研究開発特化型の政府予算を念頭に置く。担い手確保の観点から、公共工事設計労務単価の政策的な大幅引き上げも訴えた。
 日建連によると、木原官房長官は「新たな投資枠は来年度予算から導入できるよう、財源確保策も含めてしっかりと検討する。その中で公共事業予算の規模についても、必要な事業量確保に向けて関係省庁と連携して対応する」などと応じ、鈴木幹事長は「日建連の要望事項を骨太の方針に反映できるよう取り組む。中東情勢の問題でさらに資材価格も上がってきており、実質的な事業量を確保しなければならない」などと話した。
 日建連は今後も、実質的に中身が固まる6月上旬までをめどに、政府・与党幹部への要望活動を継続し、予算拡大などにつながる文言の骨太方針への明記、そして27年度予算概算要求への反映を目指す。

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