国土交通省は、官庁営繕事業の工事監理業務で導入している第三者監理方式の運用を4月から見直した。工事監理業務の委託を円滑にするため、これまで認めていなかった設計業務の受注者との契約を可能にした。全国営繕主管課長会議が作成している公共建築の工事監理業務に関する手引に見直し内容を反映する。
第三者監理方式は、設計業務の受注者以外の第三者が工事監理業務を担う仕組み。設計意図伝達業務と工事監理業務を分けて発注し、設計意図伝達業務は設計業務の受注者と随意契約、工事監理業務は競争で設計業務の受注者以外と契約する。
1995年の阪神・淡路大震災や公共施設のコンクリート剥落事故を契機に公共建築工事でさらなる品質確保の必要性が高まったことを受け、国交省は2001年2月に建築工事監理業務委託の基本方針を策定。それまで設計業務の受注者に一括で発注していた工事監理業務の委託方法を見直し、第三者監理方式を導入した。
今年度から第三者監理方式の運用を見直し、設計業務の受注者も工事監理業務の競争に参加して契約できるようになった。ただし工事監理の第三者性を確保する観点から、設計業務と工事監理業務の受注者が同じ場合でも、それぞれの業務の管理技術者は別でなければならない。
民間を含め建築工事が活況を呈しており、工事監理業務の発注時期によっては契約者選定が難航する恐れがある。国交省官房官庁営繕部は「昨今の状況を踏まえ、(工事監理業務の)門戸をより開いていく」と狙いを説明する。
公共建築の工事監理業務委託の手引きとなる「建築工事監理等業務委託の進め方」に第三者監理方式の運用見直し内容を反映する。5月に開いた全国営繕主管課長会議で国交省が手引き改定を提案した。
今後、手引きの改定作業を進め、27年6月に改定版を公表する。
