清水建設は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校発のスタートアップ(新興企業)、MESH AG社(アマール・ミルジャン代表)に出資した。同社が保有するロボットアームの自動制御ソフトウエアを活用し、鉄筋の加工・運搬・組立・結束・溶接といった一連の作業の自動化を目指した技術システムを開発する。建設生産プロセスへのフィジカルAI(人工知能)の導入を推進する。
MESH AG社が開発した「鉄筋作業プロセス自動制御ソフトウェア」は、ロボットアームと連携することで、鉄筋の加工から組立までの一連の作業を自動化するもの。鉄筋施工におけるデジタルファブリケーションを実現する技術として期待されている。
最大の特長は、さまざまなメーカー製ロボットとの連携が可能な高い汎用性にある。図面情報を基にロボットアームの動作をプログラミング・制御するだけでなく、カメラやセンサーを活用して鉄筋の配置や種類、形状を自動認識。組立順序や把持位置、結束箇所などを最適化する。また、配置した鉄筋のずれなどの誤差をリアルタイムで検出・補正しながら、高精度な組立作業を実現する。
清水建設は今後、平面的な配筋(2次元)だけでなく、立体的な配筋(3次元)にも対応可能な同社ソフトウエアを活用し、梁・柱・基礎などで人手に依存してきた鉄筋の加工・組立作業を代替する技術システムの開発を進める方針だ。
フィジカルAIを活用したロボットアームによる鉄筋加工・組立を実現することで、これまで人手作業に依存していた工程の自動化を図る。鉄筋工とロボットが共存する新たな生産体制を構築し、省人化と生産性向上につなげる考えだ。
今後は、同社が施工する建設現場やグループ会社の施設をフィールドに実証研究を進め、日本仕様への適合を図る。フィジカルAIを活用した次世代鉄筋加工・組立システムの社会実装を目指す。
