三機工業は、神奈川県大和市の三機テクノセンターに、環境負荷の小さいグリーン冷媒に対応した低高温環境風洞設備を構築した。自動車開発用の環境試験室を12分の1スケールにしたもので、6月中に本格運用を始める。検証やデータ取得を通してグリーン冷媒を使用した直接膨張方式の冷却システム(直膨システム)を確立し、フロン排出抑制法の規制に対応した環境試験室を自動車メーカーなどに供給する。
同社は、「R404A」の冷媒を使用した直膨システムの環境試験室を自動車関連業界などに納入した実績があるものの、R404Aは地球温暖化係数(GWP)が高く、フロン排出抑制法で製造・使用が制限された。
R404AよりもGWPが低いグリーン冷媒で、今後の冷媒の主流になるとみられている「R448A」は、冷媒特性がR404Aと異なる。そのため、R448Aの特性に最適なシステムの構築を目指す。
今回、三機テクノセンターにゲッチンゲン型風洞を構築し、R448Aを使用した直膨システムを設けた。26年度内にはGWPが極めて低い自然冷媒の「R744(CO2)」を使った直膨システムも構築し、27年度に検証を始める。
温度範囲はマイナス40度からプラス50度、湿度範囲は20%から90%、車風速は時速200㎞までを再現できる。低GWP冷媒の動的特性、負荷急変時の温度安定性、冷却コイル面の温度分布、高温多湿環境時の制御性、エネルギー抑制を確認・検証する。
風洞設備を囲う試験室には独自技術のドライシェル方式を採用した。室内を低露点環境に保つことで、ガラスやアクリル素材を通して内部を目視で直接確認できるようにした。
16日に現地で開いた発表会で新保順一取締役兼専務執行役員建築設備事業本部長は、「コーポレートメッセージで『人に快適を。地球に快適を』を掲げている会社として、環境負荷の小さいグリーン冷媒を使っていく」と力を込めた。
