旅行で静岡県熱海市を訪れた際、JR東海道本線のトンネル近くに建立された慰霊碑を見かけた。同市と函南町を結ぶ全長約7.8㎞の丹那トンネルは国内屈指の難工事として1918年の着工から完成まで16年を要した◆工事中は出水や崩落事故に見舞われ67人の作業員が尊い命を落とした。碑には犠牲者全員の名前が刻まれ、国家的プロジェクトを支えながらも帰らぬ人となった御霊(みたま)をしのんだ◆100年を経て建設業界の安全管理は大きく進歩した。ICTやAI(人工知能)の活用で危険箇所の把握や作業環境改善が進む。それでも工事に絶対の安全はない。事故を防ぐ基本は一人ひとりの安全意識にある◆明日から全国安全週間が始まる。慰霊碑に刻まれた先人たちの思いを胸に、無事故・無災害への決意を新たにしたい。
