東京都杉並区は、杉並第一小学校移転後の跡地活用に向けた検討調査結果を明らかにした。地域のまちづくり方針や区民からの意見をもとに、最大で延べ床面積約3万3000㎡の施設整備など、事業者が区に提示した主に三つの活用案が盛り込まれている。区はこれらの案を地権者との意見交換などに活用する。
対象は、同小がある阿佐谷北1-5の敷地5287㎡。区は、移転後跡地の検討を進める前段階として、課題などの情報を整理した上で活用方法を多角的に検討するために「杉並第一小学校跡地活用検討調査業務」を内藤建築事務所に委託した。履行期間は2025年6月から26年3月までだった。
活用案の一つ目は、公共性の高い施設の整備を中心とした。想定規模は、地下3階地上15階建て延べ約3万3000㎡で、高さは約60m。アニメや文士、ジャズなどの文化発信機能や、子どもの居場所空間、高齢化社会を見据えた運動施設、インキュベーションオフィスなどを整備する。駐車場約130台、駐輪場約780台も設ける。
二つ目は、既存区立施設の再編整備を中心とした活用案とした。想定規模は、地下2階地上6階建て延べ約1万9500㎡で、高さは約24m。図書館機能や、産業振興センター、産業商工会館などを配置する。駐車場約90台、駐輪場約840台も設ける。
三つ目は、行政サービスを提供する施設の整備を中心とした活用案としている。施設規模は一つ目の案と同程度。低層部にホールや文化発信機能などを配置し、上層部に行政サービス空間を集約する。災害時には1階のフロア全体を一時待機場所などで活用する。
全ての案に共通して、周辺のけやき並木と調和する豊かな緑を核とし、屋上広場やオープンスペースなど多様な人々の居場所となる空間整備を目指す方針を示した。
事業スケジュールは、いずれも1年目に基本計画を策定し、2-4年目で基本・実施設計をまとめた後、3年半から4年間で施設の建設を進めるものとした。
このほか、敷地のうち区有地のみを活用する案も提示された。規模は地下2階地上6階建て延べ約5250㎡。
区は今後、事業者から示されたこれらの検討結果を、跡地を所有する欅興産との意見交換などに生かす。
同小の移転改築は、区と河北医療財団、欅興産の3者が進める「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業」の一環で進められている。現時点で、移転後の跡地は27年1月から区が土地の3割を所有し、残りの7割は所有者の欅興産と借地契約を結ぶことになっている。既存校舎の解体が完了し、土地区画整理事業が終了する30年度以降に新たな施設を建設する計画を検討している。
