【未経験のインフラに挑戦】
JR東日本コンサルタンツの新社長に小山宏氏が就任した。JR東日本グループからの受注だけでなく、培ってきた技術やノウハウを生かした地方の民間鉄道会社への技術支援などグループ外への事業拡大を視野に入れる。同時に、道路やまちづくりといった鉄道以外のインフラ分野への参入にも意欲を示す。小山社長に今後の事業展開を聞いた。
--就任の抱負は
「JR東日本コンサルタンツに在任するのは2回目だ。前回は、JR東日本に入社したばかりのころだった。当時はまだ、発足直後の会社で、社員数や売上規模も現在と比較すると10分の1ぐらいだった。今は当時より業務内容も広がっており、売り上げも社員数もかなり増えている。2026年3月期の売上高は242億円で、コロナ禍前の水準に戻ってきた。この先、将来に向けて次の一歩を踏み出していきたい」
「JR東日本が25年7月に策定したグループ経営ビジョン『勇翔2034』を受けて、3月に『中期経営計画2031』を策定した。全ての鉄道の発展に貢献する『真の鉄道トップコンサルタント』を目指すとともに、豊かな発想と果敢な挑戦で社会の持続的な発展に貢献する『提案型の総合コンサルタント』を目指す」--注力することは
「培ってきたノウハウを生かして、民間の鉄道会社など、グループ外の仕事にも力を入れていきたい。構造物の耐震補強やホームドアの設置といった、ノウハウのある分野を中心に貢献できると期待している。特に地方の鉄道会社は、メンテナンス面で専門技術者が不足している課題があるので、技術を生かした支援ができればと考えている」
「同時に、鉄道分野での調査や設計、メンテナンスの技術を道路やまちづくりなど他のインフラにも活用していきたい。経験のないインフラ分野にも、技術力を伸ばして積極的に挑戦していく」
--デジタル・AI(人工知能)分野の展開について
「カメラで乗客数をカウントしたり、画像認識を使って客層を解析するといったシステムを開発した。駅とその周辺のまちのシームレスな移動を支援する『ステーションナビ(ステナビ)』や列車の在線位置を表示する『どこトレ』といった独自のアプリを含めて、他の鉄道会社や第三セクターに活用してもらえるように提案していきたい」
--組織・人材について
「土木や建築、機械、電気といった技術者や技術士の資格を持つ社員が多いことが強みだが、一方で、道路や河川、下水道といった技術分野は体制強化の余地がある。そうした状況も踏まえて中途採用を強化している。26年度は新卒採用を含め、約40人を採用している」
「27年5月に本社をJR東日本グループが開発した大井町駅直結の大規模複合施設『OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)』に移転する。より風通しのいいオフィスになるようにフリーアドレスを導入するなど、計画を練っている」
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(おやま・ひろし)1989年3月東工大(現東京科学大)理工学研究科修了後、同年4月JR東日本入社。2020年6月執行役員鉄道事業本部信濃川発電所業務改善推進部長兼建設工事部長、22年6月常務執行役員建設工事部担当兼大規模切換工事担当などを経て、26年6月29日から現職。千葉県出身。63年10月30日生まれ、62歳。
◆記者の目
たたずまいは冷静沈着だが、口調から強い気持ちや熱意がうかがえる。好きな言葉は「ワンチーム」。異なるバックグラウンドを持つ社員を一つにまとめ上げ、ワンチームとしてさらなる高みへ押し上げていく。青梅マラソンに出た先輩に感化されて自らも大会に出場、それ以降、ジョギングが趣味となった。
