【技術力と専門性さらに磨く】
1日付で、パシフィックコンサルタンツの新社長に岡野郊子氏が就いた。同社初の女性社長となる。技術者として入社後、20年以上にわたりランドスケープやまちづくりの計画・設計に携わったほか、社長就任直前には人事部長や内部監査室長など、現場からコーポレート部門まで幅広い経験を積んだ。自身の経歴を「変わったキャリアだ」と語りつつも、その幅広い経験を武器に手腕を振るう岡野社長に今後の展開を聞いた。
--就任の抱負は
「1月にホールディングス化したことは、パシフィックコンサルタンツにとっても大きな変化で次のステップへ進むタイミングだったと考えている。10月1日からの76期は、社長交代だけでなく、執行体制も大幅に変え、社内外に分かりやすい体制を目指した。社会インフラのコンサルティングを一番の核として成長してきた企業であるため、これまでの基盤を成長させつつ、さらに技術力と専門性を磨いていきたい。建設コンサルタント企業から『社会インフラサービス企業』へと進化させていく」
「76期は、中期経営計画の2年目となる。最終年度である2028年9月期にグループ全体で売上高1000億円という目標を設定している。中核を担う当社が達成に向けてけん引していきたい」
--注力する分野は
「公共事業・PFI事業に引き続き力を入れていくことはもちろん、民間発注者からの受注も強化していく。民間の仕事を通してノウハウを蓄積し、新たな価値を創出したい。当社の技術を民間分野の顧客に評価してもらうためには発信や提案の仕方にも力を入れる」
「76期の組織再編では、地域本社・支社を統括する地域戦略担当の常務執行役員を置いた。首都圏本社がある一方で、地域本社・支社を強化していく狙いがある。これまで以上に地域の市場に入り込み、会社としての価値をしっかりと提案して、その地域と長く関わっていくのが理想だ。新たに『技術戦略推進センター』も立ち上げており、これまで培ってきた技術力や専門領域をより強みとするための戦略をここで練っていく」
--組織・人材について
「人事・総務担当の常務執行役員として2年間、人材戦略に関係するさまざまな取り組みを進めてきた。大卒年次の区分を廃止する新たな人事制度も導入する。社員には多様なキャリアを経験してもらいたい。テーマは『ジャングルジム型キャリアパス』だ。私自身がランドスケープやまちづくり、PPP事業、人事などに携わったように、旧態依然のキャリア環境ではなく、多くの仕事に挑戦してほしい」
「同時に、近年は中途入社の社員が増えている。誰もが挑戦できるような土台・環境をつくっていきたい。新しい発想を生み出していくためにも、多様なバックグラウンドを持つ人材に入社してもらいたい」
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(おかの・さとこ)1991年3月横浜国立大工学部卒後、同年4月パシフィックコンサルタンツ入社。2017年パシフィックコンサルタンツ地域経営戦略部長、19年サービスプロバイダー事業部長、20年プロジェクト統括部長、22年執行役員内部監査室長、24年常務執行役員人事・総務担当人事部長、25年取締役兼常務執行役員に就き、26年6月に経営企画・マーケティング担当も兼務した。神奈川県出身。69年3月9日生まれ、57歳。
◆記者の目
現場と経営の双方で培った経験を生かし、人と技術の力で社会課題の解決と企業価値の向上を目指す。座右の銘は、「人間と言うものは、いついかなる場合でも、自分の巡り合った境遇を、最も意義あらしめることが大切だ」。第37代内閣総理大臣・米内光政の言葉を胸に刻む。休日はインドア派。自宅での庭いじりで安らぎ、気持ちを切り替える。
