大成建設は、大成ロテック、本田技術研究所と共同で、走行中の電気自動車(EV)に大電力を供給する無線給電道路システムを開発した。車両総重量20tクラスの大型車に対応する舗装構造と直流電源システムを開発。2027年度以降の公道実証を目指す。
道路側の送電コイルで磁界を発生させ、車両側の受電コイルに電力を伝える磁界結合方式を採用し、最大150kW級の給電を想定する。インバーターとコイルを一体化した給電ユニットを直流配電でつなぎ、配線を簡素化する。
走行中給電はバッテリーの小型化や充電時間の短縮につながる。5日に東京都港区の虎ノ門グローバルスクエアで記者発表した本田技術研究所総合研究センター電動パワーユニット研究開発室の上田拓開発責任者は「高稼働かつ長距離走行が必要な物流・輸送分野での実用化を目指す」と説明した。
大成建設は12年から電界結合方式を開発し、25年には時速60㎞での連続給電に成功した。社会実装へ25年度にホンダに共同研究を打診した。電界方式は特殊なセラミック構造が必要で、天候に効率が左右されやすい。これに対し磁界方式は、一般的な道路部材を使え、コスト低減が見込め、天候の影響も受けにくいとして注力する。
大成建設が直流電源、本田技術研究所が送受電、大成ロテックが施工の技術開発を担う。埼玉県幸手市の研究所で100万輪(49キロニュートン換算輪数)の台上試験を実施。直流電源は車両通過時の負荷を模した実験で、道路側の給電設備へ150kWを安定供給できることを確かめた。
大成建設次世代技術開発室の遠藤哲夫開発責任者は「舗装構造や給電ユニットの強度を見直し、ひび割れを改善した」と説明した=写真。既存舗装を切削してユニットなどを埋設する施工方法も検討しており、大成ロテック研究開発部の加納孝志開発責任者は「精度がよく、耐久性を確保したものにすることが私たちのミッションだ」と述べた。
26年末までに福島県田村市の実証センターに試験走行路を構築する。延長40mに給電ユニットを埋設し、実車による100万輪の載荷走行試験や最大150kW出力での走行中給電実験を進める。
